25第1章 主訴別に考える母体急変で見逃せない疾患エマージェンシー臨床推論とは?1し、研修医をトレーニングする方法として活用できると考えて、あえて救急の臨床推論を言語化・可視化してみました。それが、私が開発した「エマージェンシー臨床推論」です3)。ここからいよいよ臨床推論の説明に入っていきます!主訴ごとに鑑別疾患の引き出しをつくる まず、臨床推論を行っていく上で欠かせないツールとして、二次元鑑別シート(図1-1)があります。これは「頭の中に主訴ごとに鑑別疾患の引き出しをつくる」という目的で作(緊急度)(重症度)知りたいこと=レッドフラッグ入院を要する➡➡➡致死的時間➡➡分➡➡秒単位右上緊急度・重症度が高い疾患主訴:●●図1-1 二次元鑑別シート救急で大切な2つの軸(緊急度・重症度)で4分割し、主訴ごとに鑑別疾患を書くシート。中央の目安は、重症度の場合は「入院が必要」、緊急度の場合は「直ちに治療介入が必要」。二次元鑑別シートの「右上」は緊急度・重症度ともに高い疾患、すなわち救急で見逃してはいけない疾患として視覚的に把握できる。各象限内での位置関係は問わないこととする。二次元シートの「左上」にくる疾患はあまりないので、ここにはレッドフラッグ(急変時の観察項目。危険信号、見逃してはいけない疾患を示す症状や所見)を書く。何を見るか?鑑別診断
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