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11第1章…先天性疾患を知るための遺伝の基礎知識染染染染染染染染染染染染染染染第1章13.染色体はDNAの集まり 顕微鏡で観察していると、細胞の分裂とともに核の中に「染色体」と呼ばれる棒状のものが見えてきます(図3)。染色体は長く連なっているDNAが折りたたまれ、凝縮された構造物で、親から子へ遺伝情報を伝える役割をもっています。両親からは23本ずつの染色体を受け継ぐので、細胞内には2本ずつ23組、すなわち46本の染色体が存在しています。 31億対の塩基配列を含むヒトDNAは、46本の染色体に分かれて存在しています。DNAは非常に細くて長い糸状の物質であり、ヒストンというタンパク質に巻き付いています。核内ではさらにまとまって固まりになっていますが、そういったDNAの二重らせんの連なりと、ヒストンなどのタンパク質からなる複合体が染色体ということになります。体をつくっている何十兆という細胞の全てにこの染色体の1組が備わっており、細胞が分裂して増えるときは、染色体も複製されて同じものがつくられます。 染色体は23組46本ありますが、大きさの順に1番から22番まで番号が付けられている常染色体と、X染色体とY染色体からなる性染色体の2種類があります。X染色体を2つもっていると女性に、X染色体とY染色体をもっていると男性になります。この46本は両親からそれぞれ23本ずつを受け継いだものですが、その23本がゲノムの1セットに相当します。図3染色体の顕微鏡画像23組46本あり、大きさの順に1番から22番まで番号が付けられている常染色体と、X染色体とY染色体からなる性染色体の2種類がある。X染色体を2つもっていると女性に、X染色体とY染色体をもっていると男性になる。161319714209218151016221117X1218Y2345

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