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胎児や母乳への悪影響はないので安心して使用できる。ただし、母体への副作用は、長期の連用により錐体外路症状(遅発性ジスキネジア、口周辺の不随意運動)に注意が必要で、その他に無月経、乳汁分泌、女性型乳房、下痢、頭痛、めまい、眠気などが頻度不明で報告されている。つわりが長期化する場合は副作用症状に注意する。胎児毒性・乳汁移行添付文書上「妊婦有益性投与」だが、胎児への悪影響はほぼ否定されている。米国食品医薬品局(FDA)基準カテゴリーB、豪州医薬品評価委員会(ADEC)基準カテゴリーA。母乳への影響はMedications and Mothers’ Milk 2019基準でL2。薬剤投与中も授乳を継続してよい。値段が安く、プリンペランⓇは最もメジャーな薬剤の一つ、第一選択の制吐薬。妊婦への投与経験は豊富で、安全性はほぼ確立されている。妊娠中も帝王切開術後も、よくある悪心トラブルに効果を発揮する。❶❶❷❷❸❸メトクロプラミドは、医療施設でよく使用される安価で安全な薬剤である。嘔吐で内服できない患者にも使用可能なので、便利な薬である。(彦坂 慈子)妊娠期❶❶妊娠期のマイナートラブル1(つわり・妊娠悪阻)第1章産科の薬1部19

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