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が、「薬がなければ何もできない」という依存状態になると問題である。どのように服用しているかを自分で把握していない人もいる。いつ服用したかなどを手帳などに記録し、残りの錠数を数えておくよう指導する。長期の連用では、急な服薬の中止で自律神経の乱れや不安焦燥など離脱症状が生じる。それによりかえって依存を強めることにならないよう、減量や中止はゆっくりと行う。薬に頼らざるを得なくなってしまった本人のつらさに寄り添いながら、根気よく支援していく。乳汁移行母乳中の濃度は低い。半減期も比較的短いため、通常の投与量では乳児に副作用が生じる心配はない1)。不安や緊張が生じてくる原因やきっかけ、頻度、強さ、症状によって本人がどれくらい苦痛に感じるかなどを把握しておく。服用する量や頻度、タイミングなどが主治医の指示通りであるかを確認する。時々、残っている薬の錠数を数えておくようにすると、適切に服用できているかどうかの判断の助けになる。薬以外の方法で不安や緊張を和らげることについてもよく相談し、そのために必要な支援を整える。ただし、急に服薬を中止することは避ける。❶❶❷❷❸❸(安田 貴昭)産褥期❸❸産後うつ病、その他の精神障害・向精神薬第3章産科の薬1部209

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