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10精神病質その他の精神疾患を有する者をいうと定義している. 精神保健福祉法の定義においては,躁うつ病などの重要な疾患が,その他の精神疾患に分類されており,概念の把握が困難であるため本書においては,アメリカ精神医学会のDSM-5精神疾患の診断を中心とし,それまでの疾患名を( )に入れることを一つの原則としている.またWHOの国際疾病分類ICD-10の分類も付記している(表3,4).注: DSM-5はDSM-Ⅳ以来19年ぶりに全面改訂されて2014年にその日本語版が出版されている.表3DSM-5 精神疾患の診断・統計マニュアルの診断基準(2014)DSM-5精神疾患の診断・統計マニュアルの診断基準●DSM-5精神疾患の診断・統計マニュアルの診断基準●1 神経発達症(障害)群   知的能力障害群,コミュニケーション症(障害)群,自閉スペクトラム症(自閉症スペクトラム障害),注意欠如・多動症(注意欠如・多動性障害),限局性学習症(障害),運動症(障害)群(チック症を含む)2 統合失調症スペクトラム障害および他の精神病性障害群   統合失調症,統合失調型(パーソナリティ)障害,妄想性障害,短期精神病性障害,統合失調症様障害,統合失調感情障害,物質・医薬品誘発性精神病性障害,他の医学的疾患による精神病性障害,緊張病3 双極性障害および関連障害群   双極Ⅰ型障害,双極Ⅱ型障害,気分循環性障害,物質・医薬品誘発性双極性障害および関連障害,他の医学的疾患による双極性障害および関連障害4 抑うつ障害群   うつ病(大うつ病性障害),重篤気分調節症,持続性抑うつ障害(気分変調症),月経前不快気分障害,物質・医薬品誘発性抑うつ障害,他の医学的疾患による抑うつ障害5 不安症群(不安障害群)   分離不安症(障害),選択性緘黙,限局性恐怖症,社交不安症(障害),パニック症(障害),広場恐怖症,全般不安症(全般性不安障害),物質・医薬品誘発性不安症(障害),他の医学的疾患による不安症(障害)6 強迫症および関連症群(強迫性障害および関連障害群)   強迫症(強迫性障害),醜形恐怖症(身体醜形障害),抜毛症,物質・医薬品誘発性強迫症および関連症(障害),他の医学的疾患による強迫症および関連症(障害)7 心的外傷およびストレス因関連障害群   心的外傷後ストレス障害(PTSD),急性ストレス障害,適応障害8 解離症群(解離性障害群)   解離性同一症(解離性同一性障害),解離性健忘,離人感・現実感消失症(障害)9 身体症状症および関連症群  身体症状症,病気不安症,変換症(転換性障害)10 食行動障害および摂食障害群異食症,神経性やせ症(神経性無食欲症),神経性過食症(神経性大食症)11 排泄症群遺尿症,遺糞症

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