第１章3はじめてのICU看護はじめに 2018年に，多くの皆様のご支援があり，「はじめての精神科看護」が刊行されました． 同書は新人看護師の教育担当者である主任が中心となり，精神科認定看護師が協同して作成しました．今，振り返ると執筆活動のプロセスは貴重な経験でした．主任にとって，新人看護師に必要な知識とは何か，何が困るのか，どう表現したら理解しやすいのかを模索することは，精神科看護を学びなおす時間となりました．おかげさまで，「実際に臨地で活用しています」「講義の副読本として使っています」など，多くの反響をいただきました．もちろん当院でも，現場で使えるテキストとして大いに活用しており，新人教育のみならず，患者様とのかかわりで困ったとき，悩んだときに開いてスタッフ同士で対話し，対象理解を深めるための教材になっています． このたび，2年ぶりに内容をバージョンアップし，「改訂版」を刊行することになりました．改訂にあたっては『精神科の看護』を拡大して1つの章とし，実践における基本理論や技術を充実させました．また，ぜひ押さえておきたい「薬剤の最近の傾向」や「なぜ精神科疾患患者に合併症が多いか」といった基礎を加筆しており，伝えたいことが，よりよい形にできたように思います．この改訂版を活用し，現場教育をさらに向上していきたいと思います． 2020年はナイチンゲール生誕200周年「Nursing Now キャンペーン」の年です．世界が看護職への関心を深め，地位向上することによって人々の健康の向上に貢献することが，期待されています．そんな大きな期待を背負い，活躍する新人看護師を応援する本になれば本当に嬉しく思います． 2019年12月 公益財団法人浅香山病院 副院長・看護部長 国本京美
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