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100 1.生存権と社会保障制度日本国憲法では、国民すべてが豊かに生きるための権利が保障されています。病気やけが、失業、高齢などで生活が困難になったときにも生活を保障するのが、日本の社会保障制度です。日本国憲法と生存権 日本国憲法では、人間として当然もっている基本的な権利(基本的人権)が保障されています。その中で人々が豊かに生きるための権利として社会権が定められており、その基本となるのが生存権です。生存権については、憲法第25条で「1.すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。2.国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない」と定められています。この内容をもとに、国が個人に代わり最低限度の生活を保障し、自立を助ける社会保障制度がつくられました。社会保障制度のしくみ 日本の社会保障制度は、社会保険、公的扶助、社会福祉、公衆衛生の四つの柱で成り立っています。その一環として、すべての国民がなんらかの医療保険に加入する国民皆かい保険制度や、年金保険に加入する国民皆年金制度を導入しています。医療保険の場合、すべての国民が公的な医療保険に加入し、誰でも、いつでも、どこにいても平等に医療を受けることができます。 このしくみを維持するために社会全体で助け合い、支えるものが社会保障制度です。生活を支えるしくみ1 社会保障の給付の財源は、税金や保険料の形で国民が負担しています。少子高齢化が進む日本では、働く世代の人口が減り、税収と保険料の収入が減少する一方、高齢者への医療費などの社会保障の給付が増加しているため、収入と給付のバランスが崩れています。そこで2012(平成24)年に社会保障制度改革推進法が制定され、持続可能な制度を実現する政策が示されました。チェックポイントαプラスプラス社会保障制度の課題とこれから■社会保障制度の四つの柱社会保険毎月保険料を支払い、病気やけがをしたときや、高齢になったときに給付を受ける。医療保険や介護保険などがある。公的扶助生活に困っている人に対して、最低限の生活を保障し、自立を助ける制度。生活費や教育費などを支給する。社会福祉高齢者や障害のある人など、社会的な保護や援助を必要とする人たちが、安心して社会生活を営むことができるように公的な支援を行う。公衆衛生健康で安全な生活を送れるように、上下水道整備などの環境の改善や感染症の予防を行う。社会保障制度

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