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4章〈社会〉3章〈国語〉2章〈数学〉1章〈理科〉4章〈社会〉3章〈国語〉2章〈数学〉1章〈理科〉101少子高齢化がもたらす問題 日本では急激な少子高齢化が進んでいます。総人口に占める65歳以上の人口の割合は、1970(昭和45)年には7%でしたが、年々上昇を続け、2019(令和元)年には28.4%となり、今後さらに加速していくと予想されています。 また、2019年の出生数は86万人となり、統計をとり始めて以来、過去最低となりました。1人の女性が生涯に産む子どもの数にあたる合計特殊出生率は、2019年には1.36と減少傾向にあります。少子化の原因は、晩婚化や未婚の人の増加、仕事との両立による子育ての負担の増大などが挙げられますが、25~39歳の女性の人口が減っていることも一因とされます。共働き世帯が増えている現在、さらに出産・育児と仕事が両立しやすい環境を整えないと、出生率は上昇しないでしょう。 高齢者1人に対する現役世代の比率を見てみると、1960(昭和35)年では高齢者1人を現役世代11.2人で支えていましたが、2015(平成27)年には2.3人になっています。このまま少子高齢化が続くと、さらに少ない人数で支えることになり、高齢者1人を現役世代1人が支える「肩車社会」になる恐れがあります。 社会保障の財源不足への対策として、これまでに40歳以上の人が加入する介護保険制度の導入や、年金支給開始年齢の引き上げなどが行われてきましたが、将来の世代に負担を先送りしている状況です。現役世代だけが重い負担を担うのではなく、すべての世代が支え合うようなしくみの構築が課題です。2.少子高齢化が進行する日本日本では少子高齢化がますます進んでいます。少子高齢化がさらに進むと、社会を支える現役の働き手の数がさらに少なくなります。この背景にはどのような原因があるのでしょうか。地域包括ケアシステムによる医療保険制度と介護保険制度の連携 持続可能な社会保障制度を確立するために、2012(平成24)年に社会保障制度改革推進法が成立しました。この法律を発端に、医療保険制度と介護保険制度の連携を図るため、地域包括ケアシステムの構築が進んでいます。 地域包括ケアシステムとは、高齢者が重度な要介護状態になっても、住み慣れた地域で自分らしい暮らしを最後まで続けられるように、利用者のニーズに応じて、適切にサービスを提供するしくみのことをいいます。高齢化の進み具合には地域差があるため、都道府県や市町村が地域の特性に応じたしくみを作り上げていくことが必要です。そのために、地域の役所、社会福祉士や保健師、ケアマネジャー、医師、看護師などの専門家のほか、民生委員などが連携しています。

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