はじめにはじめにデルカン 「第109回看護師国家試験」が2020年2月16日に行われ、3月19日に合格者が発表されました。今回の結果は合格者総数が58,514名で、全国平均合格率は89.2%でした。 国家試験は定員のある入学試験のような「競争試験」とは異なり、受験生が4年制大学卒であろうと、3年制の短期大学や専門学校卒であろうと、あくまでその人の知識がプロのレベルに到達しているか否かを判定するための「資格試験」です。書店に並ぶ多くの国家試験対策本の中には、時に「看護師になってからも臨床の現場で役に立つよう編纂されています」とPRしている本を見かけますが、元来、いかなる分野においても資格試験に合格するための勉強と、プロになってからの学習が同じであっていいはずがありません。 したがって、国家試験に合格して免許証を手にするためには、限られた時間内に少しでも早く正しい解答が引き出せる力を身に付けるための「特殊な学習」が必要となります。基本的知識を問う必修問題の「80%以上」は別として、出題の大半を占める一般問題・状況設定問題では、これまで毎年、「60%前後」が合格ラインとなっていることから、日ごろの過去問題集や模擬試験などで、「常に3問中2問正解できる実力」を身に付けるよう心掛けて勉強していけば、目標を達成できるということが言えます。 『デルカン』は1997年度版が創刊されて以来、年を重ねてこれが25冊目となり、近年では教員の中にもかつてこの小冊子で勉強して、「合格」を勝ち得た経験者があちらこちらでみられるようになりました。これまでに出題された問題を分析し、利用した先輩たちのカスタマーレビューにも耳を傾けながら年々新たな工夫を積み重ね、より充実した内容になるよう毎年努めてきました。 この1冊が今年もまた、全国の看護学生にとって国家試験勉強の一助となれば幸いです。編著者
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