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はじめに 2020年春、新型コロナウイルス感染拡大は、助産教育にも多大な影響を与えています。学生の皆さんは、オンライン授業となり、友達とも会えず、不安や負担を感じていることと思われます。全国の助産学生は今、同じ状況にあります。感染拡大防止のために健康管理に努め、来春の国家試験に向けて、この状況を一緒に乗り越えましょう。 現在助産教育は、学部教育における助産選択課程での履修や、看護教育修了後1年間あるいは2年間の課程で展開されています。国家試験は、いずれの課程で学ぼうとも、助産という人の命に関わる役割を担うために必要な知識・技能を、同一基準で評価するものです。 本書は、助産師として必須の知識・判断を問う問題を作成し、重要問題として収載しました。本書で提示している問題は、国家試験で取り扱われる設問に関する最新の情報やエビデンスを基に作成しています。また、一問一答形式の問題により、基本知識の充実を図りました。ポイントを明確にし、丁寧な解説を心掛けています。初めは一つの問題を理解するのに、あれこれと調べてみることで随分時間がかかると思いますが、一つの幹からたくさんの枝葉を出して、知識を深めていくようにしてください。 「助産ケアは、短期間の結果だけを指すのではなく、そのケアが長い歳月をかけて家族の重要な出来事に影響を与えていく」 *といわれるように、助産ケアは、身体面のみならず心理面への影響が大きく、母子およびその家族に、安全で快適かつ満足な結果を残さなくてはなりません。産科医療が多大な課題を抱える現在、助産師としての役割と責任を認識し、自律した助産実践のできる助産師がこれまで以上に求められています。 時代・社会の求めに応えられる未来の助産師として、大いなる活躍を期待しています。2020年7月葉久 真理* Page, LA.“第1章 科学と感性を実践に取り入れる”.新助産学.鈴井江三子監訳.大阪,メディカ出版,2002,9.一部改変.

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