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はじめに 2020年春、新型コロナウイルス感染拡大は、助産教育にも多大な影響を与えています。学生の皆さんは、オンライン授業となり、友人とも会えず、不安や負担を感じていることと思われます。全国の助産学生は今、同じ状況にあります。感染拡大防止のために健康管理に努め、来春の国家試験に向けて、この状況を一緒に乗り越えましょう。 さて、2020年2月に実施された第103回助産師国家試験の合格者数は、2,093名(うち新卒者2,088名)で合格率は99.4%でした。助産学生の日々の学習の成果と思われます。 助産師国家試験においては、助産師国家試験出題基準平成30年版(以下、出題基準と記す)が公示され、第101回から適用されました。出題基準は、助産師国家試験の妥当な内容や範囲と適切な水準を確保する目的で作成されており、助産師として保健医療の現場に第一歩を踏み出す際に、少なくとも具有すべき基本的な知識及び技能を示しています(出題基準から抜粋)。この出題基準は平成10年に公表され、その後3回の改定を経て、今回、「助産診断・技術学、助産管理、及び近年推進されている院内助産所や助産師外来において求められる、より高い助産診断・ケア能力について、引き続き出題内容の充実を図るよう改定」が行われました。(http://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-10803000-Iseikyoku-Ijika/0000158962.pdf) 第103回助産師国家試験では、基本的な理解を問う問題から、正常な妊娠・分娩経過からの逸脱およびハイリスク状態にある対象者への支援に関する問題まで、助産実践に必要な知識・技術の理解を確認する内容でした。また、「写真等の視覚素材を用いた問題」では、ほぼ例年出題されている胎児心拍数陣痛図と、新生児頭部MRI画像が提示され、実習場での学びを通して知識を統合とすることの重要性が示されています。 さて、皆さんは今、国家試験に向けて日々勉学に励まれていることと思われます。臨床実践に必要な学びは、知識の丸暗記ではなく、なぜそうなるのかという疑問をもち、その理由・根拠、発症機序など、その関連性まで理解しておく必要があります。 本書は、5年間の助産師国家試験問題を、平成30年版国家試験出題基準項目に照らし合わせて分類し、解説しています。問題の中には、母子保健制度の改正やガイドラインの改定により、出題当時の厚生労働省の解答とは異なっているものがあります。それらすべてを見直し、設問ごとに丁寧な解説を心がけました。しかし、まだまだ十分な解説となっていないものがあるかもしれません。「なぜだろうか」と疑問をもち、これでは足りないと思われた項目は各自で加筆して、自分自身の学習ノートにしてもらいたいと思います。 時代・社会の求めに応えられる助産師になるために、本書で学ばれたすべての方々が、助産師として必要な知識・技能を習得し、助産師国家試験に合格されることを願っています。2020年7月葉久真理助産師国家試験問題過去5回分完全収載!出題基準別2021年大橋一友 大手前大学 副学長・国際看護学部 教授医学監修葉久真理 徳島大学大学院医歯薬学研究部助産学分野 教授編 集

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