52 骨格筋の筋肉量の減少とそれに伴う運動機能の低下、運動時の最大心拍数の低下や肺活量の減少なども起こる。体内時計の位相は加齢に伴い前進するため、早寝早起きになる。また、睡眠時間と横になっている時間の比率である睡眠効率が低下し、REM睡眠が減少するため、結果として中途覚醒が増え、睡眠障害になる者も少なくない。 脳については、30歳頃から、大脳皮質は10年に約2%程度萎縮していくとされている。大脳皮質の萎縮の進行速度は部位で異なっており、前頭葉が最も大きく萎縮し、側頭葉や頭頂葉は中程度、後頭葉や運動野では小さいとされている。脳の活動に影響を与える内分泌系でも変化がみられ、男性ホルモンや女性ホルモンのような性差や生殖に関わるホルモンの分泌が減少する。脳の神経伝達物質であるドパミンも加齢に伴って分泌量や受容体が減少する。これらが高齢者の認知機能に影響を与えているのである。解答:②横になっている時間における寝ている時間の割合を睡眠効率と呼び、加齢に伴い、寝つきが悪くなったり中途覚醒したりするため、睡眠効率は低下する。①静体視力が急激に低下する。②睡眠効率が低下する。③前頭葉よりも後頭葉の方が大きく萎縮する。④男性ホルモンや女性ホルモンが増加する。⑤低周波数域の聴覚感度が低下する。加齢による身体的・生理的変化として、正しいものを1つ選べ。生物学的な加齢による変化 人の身体は、加齢に伴ってその機能や働きに変化が生じる。疾患や環境などに関係なく純粋に時間経過(加齢)によって生じる生理的な変化は正常加齢や1次加齢あるいは「加齢に関連した(aging related)現象」と呼ばれる。一方、加齢と疾病との交互作用や正常加齢と環境との交互作用によって生じる変化は病的加齢や2次加齢、「年齢に関連した(age related)現象」と呼ばれる。しかし、正常加齢と病的加齢は厳密に区別することは困難である。 正常加齢としては、視覚・聴覚・平衡覚・嗅覚・味覚などは加齢によって全体的に低下する。視覚では、コントラスト(白と黒)の動きのない対象を認識する静体視力は比較的加齢の影響を受けにくいが、明るさに対する感度、動体視力、近視力、視覚探索能力、視覚情報を処理する速度などは、加齢の影響を強く受けやすいとされている。聴覚では、60歳前後から高周波数域(4,000Hz)以上を聴き取る能力が低下する。また、暑さ・寒さに対する感覚が鈍くなり、暑くても汗もかきにくくなるため、体内の熱を逃がすことができず、熱中症になったり、寒くても血流量に変化がみられないため、必要以上に体内の熱を逃がしてしまい、身体を冷やしやすくもする。問 49人体発達問加齢の影響を受けにくい記憶として、適切なものを2つ選べ。①意味記憶②手続記憶③展望記憶④エピソード記憶⑤ワーキングメモリ(第1回追加試験問50)過去問題の解答:❶と❷過去問題をチェック
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