53②人体の構造と機能及び精神 疾患を含む疾病とその治療ができる。ストレスと自律神経 ストレスを感じると、副腎皮質から副腎皮質ホルモンが分泌される。また、交感神経が支配している副腎髄質からはアドレナリンが分泌される。これらのホルモンによって血糖値上昇、血圧上昇、免疫抑制、胃酸の分泌の促進、覚醒などが引き起こされ、交感神経が優位になる。長期間交感神経が優位になることで、副交感神経とのバランスが崩れ、自律神経失調症となる。交感神経が優位であり続けることで、血管が収縮し、血流が悪くなるため、血流障害が起き、高血圧やだるさ、倦怠感、冷え、肩こりなどが生じる。また心拍数が増加することで、イライラや緊張、不安、不眠なども生じやすくなる。解答:①自律神経は交感神経と副交感神経のバランスによって体を調整しているが、それらの活動・興奮は意識的にコントロールすることはできない。①自律神経は、意識的にコントロールすることができる。②交感神経が活発になると、心拍数が増える。③睡眠時は、副交感神経が優勢になる。④交感神経は全身の器官を同時にコントロールする。⑤交感神経が長期間興奮すると、血流障害が起こる。自律神経について、誤っているものを1つ選べ。自律神経の働き 神経系は、脳と脊髄からなる中枢神経系と、各器官とつながっている末梢神経に分けられる。自律神経は末梢神経であり、さらに交感神経と副交感神経に分けられる。交感神経は各器官の興奮・活性化に関与するのに対し、副交感神経は抑制・鎮静化に関与している。各器官がどのように活動するかは、交感神経と副交感神経の興奮・活動のバランスによって決められている。具体的には、交感神経が活発になると、脳血管の収縮、瞳孔の拡大、唾液の減少、心拍数の増加、胃の消化作用の抑制などが生じ、副交感神経が活発になると、これらとは反対の現象が起こる。日中は交感神経が優勢であり、リラックスしているときや睡眠時は副交感神経が優勢となる。 末梢神経のうち、体性神経は手足を動かすなど運動機能などと関わっており、意識的にコントロールすることができる。一方、自律神経は、意識的にコントロールすることができない。交感神経は脊髄にある交感神経幹を通して、各器官とつながっているため、複数の器官を同時にコントロールすることができる。これは、危機的な状況に際して、迅速な逃走反応を行えるように、全身を一気に活性化させる必要があるためである。一方、副交感神経は脳や脊髄から各器官に個別の経路でつながっているため、それぞれの器官に対して、部分的な関与をすること問 50問自律神経系について、正しいものを1つ選べ。①交感神経系の活動が亢進すると、気道が収縮する。②交感神経系の活動が亢進すると、血圧が上昇する。③副交感神経系の活動が亢進すると、瞳孔が散大する。④副交感神経系の活動が亢進すると、発汗が減少する。⑤ストレスが加わると、副交感神経系の活動が亢進する。(第1回試験問25)過去問題の解答:❷過去問題をチェック人体脳神経
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