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88けが、障害だけでなく、妊娠やストレスなども含まれる。心身機能は身体系の生理的・心理的機能、心身構造は身体の解剖学的状態、活動は課題や行為の個人による遂行、参加は生活・人生場面への関わりのことである。個人因子には年齢、性別、生活歴、価値観、パーソナリティなどが含まれ、環境因子には物的環境、人的環境、社会的環境が含まれる。 これらはいずれも相互作用関係にある。脚が不自由な(心身機能に困難がある)高齢者が、それにより活動や参加が阻害され健康状態も低下する。しかし、杖や車いすの使用(物的環境因子と個人因子)や段差等が少ない環境(社会的環境因子)が整うことで、心身機能上の困難が低減し、活動や参加も今までよりできるようになるため、健康状態が向上すると考える。このように、「何ができないか」に着目するのではなく、「何ができるのか」「どうしたらできるようになるのか」という観点で捉えることに重点が置かれている。解答:①国際生活機能分類〈ICF〉は、生活機能を心身機能・構造、活動、参加という3つのレベルで捉え、個人因子と環境因子という背景因子も含めて個人の健康状態を包括的・統合的に捉えるモデルである。①個人の生活機能を心身機能・構造、活動、参加という3つのレベルから捉えている。②障害や疾病をもつ人の困難を理解するために用いる。③背景因子は、個人因子、対人関係因子、環境因子という3つに分けられている。④精神疾患の診断にも使用できる。⑤生活機能のネガティブな側面に注目している。国際生活機能分類〈ICF〉について、正しいものを1つ選べ。国際生活機能分類〈ICF〉 ICFは、世界保健機構(WHO)がそれまで用いていた国際障害分類〈ICIDH〉の改訂版として作成した、人間の生活機能と障害の分類法である。ICIDHは、疾病・変調が機能障害や能力障害を引き起こし、社会的不利につながるという単線モデルであったが、ICFは疾病や障害がある者だけではなく、健康な個人についても適用することができ、ICFを用いることで、疾病や障害の評価や支援の方法、個人の健康とウェルビーイングを促進するための働きかけや環境調整の計画に利用することができる。 ICFは健康状態、生活機能、背景因子という3つの観点があり、生活機能は心身機能・構造、活動、参加という3つのレベルがあり、背景因子には個人因子と環境因子がある図1。健康状態には病気や観察分析図1 ICFの生活機能モデル健康状態 活動 心身機能・構造 参加 個人因子環境因子生活機能背景因子問 84問ICFの活動と参加について、誤っているものを1つ選べ。①学習と知識の応用②コミュニケーション③運動・移動④認知機能⑤主要な生活領域関連問題の解答:❹関連問題をチェック福祉

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