305120001
15/18

125④公認心理師に関わる諸分野における法律・制度と支援の実際解答:④公認心理師法41条で規定されている「秘密保持義務」に対しては懲役や罰金という罰則が規定されているが、これは告訴がなければ公訴を提起することができないともされている。①公認心理師でない者が公認心理師または心理師という名称を用いた場合、禁錮の刑に処せられる。②公認心理師の信用を傷つけるような行為をした場合、罰金の刑に処せられる。③資質向上の責務を怠ると、公認心理師の登録が取り消される。④公認心理師が職務上知り得た秘密を漏らしても、被害者等から告訴されなければ提訴されない。⑤公認心理師は自ら登録を取り消すことができる。公認心理師法で定められているものとして、正しいものを1つ選べ。 公認心理師の義務と罰則 公認心理師法では、公認心理師の4つの義務を規定している。40条「信用失墜行為の禁止」では、公認心理師の信用を傷つける行為をしてはならないとされている。この信用失墜行為は、公認心理師の業に関わる行為だけではなく、私生活上の行為も含まれると解釈される。41条「秘密保持義務」では、正当な理由なく職務上知り得た秘密を漏らしてはならないとされ、この秘密には、要支援者本人に関わる情報だけでなく、援助の過程で知り得た要支援者の関係者に関する情報も含まれる。42条「連携等」では、要支援者の支援を行う者が密接な連携を行い、またその連携を保たなければならない。42条2項では公認心理師は主治の医師の指示を受けなければならない(問122参照)。43条「資質向上の責務」では、公認心理師は常に心理支援に関する知識や技術の向上に努めなければならないとされている。 このような公認心理師の義務に違反した場合、罰則や行政処分が下されることがある。40条「信用失墜行為」、41条「秘密保持義務」、42条2項「主治の医師の指示」に違反した場合は、文部科学大臣及び厚生労働大臣は、公認心理師としての登録の取り消しや「公認心理師」又は「心理師」という名称の使用停止を命じることができる。名称使用の停止を命じる場合は、その期間を定めなければならない。また、41条「秘密保持義務」に対しては、1年以下の懲役または30万円以下の罰金という罰則が規定されている(46条)が、被害者等から告訴がなければ公訴を提起できないともされている(46条2項)。43条「資質向上の責務」については、罰則も行政処分も規定されていない。ちなみに、公認心理師法には、公認心理師自ら登録を取り消す手続きについては規定されていない。 公認心理師は名称独占の資格である。そのため、公認心理師ではない者が「公認心理師」や「心理師」という名称を用いることは禁じられており(公認心理師法44条)、そのような場合は30万円以下の罰金に処せられる(49条)。職責制度問120問クライエントに関する情報提供が秘密保持義務よりも優先される状況について、適切なものを2つ選べ。①クライエントが虐待されていることが疑われる場合②クライエントに直接関係ない専門家の研修会で事例として取り上げる場合③成人のクライエントについて、一親等の家族から情報開示の請求がある場合④クライエントとの面接で、誹謗中傷される相手が特定できる可能性がある場合⑤クライエントが自分自身の精神状態や心理的な問題に関連して訴訟を起こし、その裁判所から要請がある場合(第2回試験問126)過去問題の解答:❶と❺過去問題をチェック

元のページ  ../index.html#15

このブックを見る