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2解答:⑤W. Wundtは最初の心理学実験室を創設したことで有名であるが、意識内容を研究対象としたり、内観を重視するなど、現代心理学に多大な影響を与える功績を残している。①意識内容を研究対象とした。②実験法の手続きを用いた。③感情の3方向説を唱えた。④内観を重視した。⑤仮現運動に着目した。Wundtについて、誤っているものを1つ選べ。 心理学の誕生 H. Ebbinghausは「心理学の過去は長く、歴史は短い」と述べているが、心理学の誕生をいつとするかは難しい問題である。そのひとつの答えが、W. Wundtがライプチヒ大学に世界で最初の心理学実験室を創設した1879年であり、1879年は「心理学独立の年」と言われることもある。 Wundtは19世紀のドイツの生理学者である。Wundtについては上記の心理学実験室の創設が有名であるが、Wundtの心理学に対する功績・貢献はそれだけではない。Wundtが考える心理学の課題は、●①複雑な意識過程を要素に分析すること、●②それらの要素の結合を証明すること、●③そのような結合の法則を研究すること、であるとされている。Wundtは、人の心の世界は感覚や単純感情のような心的要素で構成されており、これらの要素の結合の法則を見出すために、実験と内観を重視していた。実験法の手続きを用いて、実験の結果生じた意識内容を内観(自己観察)に基づいて明らかにし、要素間の結合の法則を見つけ出そうとしたのである。たとえば感情については、快―不快、興奮―沈静、緊張―弛緩という3つの方向性で記述されることを、内観を通して明らかにした。 これら心的要素は単独では意識に現れず、心的要素が結合した状態で現れるとした。この心的要素が結合したものを「心的複合体」と呼んだ。心的複合体はそれを形成する心的要素のみでは説明できない、心的要素にない性質をもっており、心的要素が結合することによって新たな性質が生まれるとする「創造的総合の原理」によって説明された。 Wundtの理論や功績については、今なお議論があるが、心理学を哲学から独立させたという“結果”は評価されるべきものである。心理学の創成期に活躍した人物としては、記憶研究の源流となったEbbinghausや知能検査を開発したA. Binet、精神分析を提唱したS. Freud、行動主義を提唱したJ. B. Watson、仮現運動に着目しゲシュタルト心理学を提唱したM. Wertheimerなどがいる。全体像研究問1問ゲシュタルト心理学に関連する人物として、誤っているものを1つ選べ。①K. Koffka②W. Köhler③B. F. Skinner④K. Lewin⑤M. Wertheimer関連問題の解答:❸関連問題をチェック

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