3①基礎心理学解答:③H. Ebbinghausは忘却という現象を科学的に初めて研究した人物として有名であるが、文章完成法を最初に用いた人物であるともされている。①F. C. Bartlett②E. B. Titchener③H. Ebbinghaus④R. C. Atkinson⑤J. B. Watson無意味綴りを用いた記憶実験を通して、人の忘却の過程を明らかにした人物として、正しいものを1つ選べ。 H. Ebbinghausの記憶実験 H. Ebbinghausは、XEGのような意味をもたない子音・母音・子音の3音節で構成される無意味綴りを用いて、忘却の過程について初めて科学的な研究を行った。科学的といっても、対象者はEbbinghaus本人ただひとりであった。Ebbinghausは無意味綴りを完全に暗唱できるようになるまで記憶し、1か月間でどれだけ忘れられていくかを検討した。その結果、わずか20分後で58%しか保持されていなかった(42%は忘れられた)。その後の保持率は、1時間後で44%、1日後で34%となり、31日後には21%になっていた。この結果から、記憶された内容は記銘後1日以内に急速に忘れられていき、1日目以降は緩やかに忘れられていくことを明らかにした。これをグラフにしたものは忘却曲線と呼ばれる。 なお、Ebbinghausが無意味綴りを記銘材料として用いたことを批判した人物として、F. C. Bartlettがいる。Bartlettは日常生活では無意味綴りを覚えることはなく、記憶研究を日常生活から遊離させてしまうと指摘し、物語や絵画などの有意味材料を用いた実験を行った。また、記憶研究で有名なものに系列位置効果がある。系列位置効果とは、記憶課題において呈示順により再生率に違いが生じる現象のことであり、最初の方に呈示された課題の再生率が高くなる初頭効果と、最後に呈示された課題の再生率が高くなる新近効果がある。系列位置効果は、R. C. AtkinsonとR. M. Shiffrinによって発見された現象であり、記憶の二重貯蔵モデルを支持する現象であるとされている。つまり、最初に呈示された課題はリハーサルを繰り返し行えるため長期記憶に転送され、再生できる。最後に呈示された課題は短期記憶にあるが、その課題は妨害されにくいため再生できるとされている。 E. B. TitchenerはW. Wundtのもとで実験心理学を学び、アメリカに渡り、意識を構成する心的要素とその結合法則の発見を目指す構成主義を標榜した。J. B. Watsonは、心理学は意識ではなく、客観的に観察可能な行動を対象とすべきであると主張し、行動主義を提唱した。全体像学習言語問2問W. Mischelについて、正しいものを1つ選べ。①知能の2因子説を提唱した。②アメリカで学習障害児などに対する実践を行った。③催眠を用いて、精神病や神経症の治療を行った。④文章完成法テストを開発した。⑤パーソナリティの状況主義アプローチを提唱した。関連問題の解答:❺関連問題をチェック
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