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れている. 血清アルブミン値が高いほど,元気で長生きするとされる.タンパク質の摂取不足は,病気に対する抵抗力を低下させる.高齢者のタンパク質の摂取基準は男性で60g/日,女性で50g/日が推奨量である.魚・卵・牛乳・大豆製品などの材料を,量や調理法を工夫してとるようにする.総脂質は摂取エネルギー全体の20%以上25%未満(30歳以上)を摂取するとよい.血清コレステロール値が高いと動脈硬化が進行し,心臓病を誘発し心筋梗塞や狭心症などを引き起こしやすくなる. 肥満度の指数としてBMIがある.BMIは体重(kg)を身長(m)の2乗で割った値である.75歳で中等度の肥満を含む女性の場合は,この値が21~24の人の死亡率が最も低い.また,やせすぎは体力の低下や栄養不足から健康に悪影響を及ぼすので,太り方は中くらいが好ましいといわれている. 高齢者の栄養素の中で不足しがちなのはタンパク質やカルシウム,ビタミンなどでBMIBody Mass Indexの略で,肥満度を測定する指標のこと.日本肥満学会(2000年)によるBMIの標準は22で,18.5未満はやせている状態,18.5~25未満は普通,25以上は肥満となる.なお,BMIは身長と体重から肥満度を調べたものであり,体脂肪は考慮されていない.(kcal/日)性 別男 性女 性身体活動レベルⅠⅡⅢⅠⅡⅢ50~69(歳)2,1002,4502,8001,6501,9002,20070以上(歳)*1,8502,2002,5001,5001,7502,000*成人では,推定エネルギー必要量=基礎代謝量(kcal/日)×身体活動レベルとして算定した.18~69歳では,身体活動レベルはそれぞれⅠ=1.50,Ⅱ=1.75,Ⅲ=2.00としたが,70歳以上では,それぞれⅠ=1.45,Ⅱ=1.70,Ⅲ=1.95とした.厚生労働省.日本人の食事摂取基準(2015年版).表1.1-2●身体活動レベル別推定エネルギー必要量身体活動レベル*1低い(Ⅰ)ふつう(Ⅱ)高い(Ⅲ)1.50(1.40~1.60)1.75(1.60~1.90)2.00(1.90~2.20)日常生活の内容生活の大部分が座位で,静的な活動が中心の場合座位中心の仕事だが,職場内での移動や立位での作業・接客等,あるいは通勤・買い物・家事,軽いスポーツ等のいずれかを含む場合移動や立位の多い仕事への従事者.あるいは,スポーツなど余暇における活発な運動習慣をもっている場合個々の活動の分類(時間/日)睡眠(0.9) *27~87~87座位または立位の静的な活動(1.5:1.0~1.9)12~1311~1210ゆっくりした歩行や家事など低強度の活動(2.5:2.0~2.9)3~444~5長時間持続可能な運動・労働など中強度の活動(普通歩行を含む)(4.5:3.0~5.9)0~111~2頻繁に休みが必要な運動・労働など高強度の活動(7.0:6.0以上)000~1注)*1 代表値.( )内はおよその範囲.*2 ( )内は,メッツ値(代表値:下限~上限).厚生労働省.日本人の食事摂取基準(2015年版).表1.1-3●身体活動レベルの活動内容(15~69歳)131高齢者の生活を支える看護 1…食生活を支える看護

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