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とともに,それぞれの原因についても,しっかり学べるようにしました.これまで援助論に焦点を当てていた「食事」「排泄」「清潔・衣生活」「活動と休息」「睡眠」「歩行・移動」についても,老年看護学①から本書に移し,より実習や臨床現場に即した構成としました. 高齢者に多くみられる疾患については,知識を深めたい項目として「骨折」「肺炎」「慢性閉塞性肺疾患(COPD)」「脳卒中」「心不全」を新たに加えました. 患者数の増加が見込まれ,国全体の課題となっている「認知症」については,さらに深い知識をもてるように記述を加えました.認知症の看護は,人の尊厳や倫理的課題,本人が意思を十分に伝えられないときのコミュニケーション方法や情報の把握,自己決定など,高齢者看護の本質的な課題をたくさん含んでいます.アジア諸国からも日本の認知症ケアが注目され,ケア方法が学ばれようとしており,認知症看護により深い意識と理解が求められているといえます.ユマニチュードやパーソン・センタード・ケアなどの新たな見出しも追加し,薬物療法についても解説しました.認知症ケアを学ぶにあたって,重要なポイントを押さえた内容になったと思います. 老年看護学①と②を併せて活用いただき,よりよい看護実践によって高齢者がより質の高い看護を受けられること,最期まで尊厳をもった生活を送れることを願っています. 今後もますます内容の充実を図っていきたいと考えております.皆様からの忌憚のないご意見,ご感想をお寄せいただきましたら幸いです.編者を代表して  堀内 ふき

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