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本書,小児看護学②『小児看護技術』は,新しい時代に対応する看護学基礎教育テキスト「ナーシング・グラフィカ」の小児看護学のテキストとして編集しました. 本書では,子どもを発達していく存在であり,年齢や健康レベルにかかわらず,権利を有し行使することができる主体であるととらえています.一人ひとりの子どもの権利を擁護し,子どもに安全で安楽なケアを提供していくには,科学的根拠に裏付けされた,看護実践能力を習得する必要があります.小児医療の高度化・多様化に伴い,小児医療の場では,広範囲に及ぶ専門的な看護技術を,子どもの発達段階に応じて,あるいは子どもや家族の置かれている状況に応じて駆使することができる看護実践能力が求められています. 一方,少子化が進み,小児病棟が閉鎖され,混合病棟が増加している中で,小児看護実習を通じて見学・実施できる小児看護技術には限界があります.また,侵襲的な技術については,看護師の資格を有していない学生は,倫理的に実施することはできません.このような現状の中で,小児医療の場で求められている看護実践能力との間には,大きなギャップが生じていると言っても過言ではありません.看護基礎教育において,小児看護技術をいかに教育していくか,さらに対象に応じて小児看護技術を創造していく看護実践能力をいかに教育していくかが課題となっています. 2011年(平成23年)に文部科学省から「看護系大学におけるモデル・コア・カリキュラム導入に関する調査研究」の報告書が出されました.この報告書の中で,看護職者が提供する看護実践である「ヒューマンケア」「根拠に基づく看護」「特定の健康課題に対応する看護」「看護ケアの改善とチーム医療づくり」「専門職としての研鑽」を遂行する20のコアとなる看護実践能力,卒業時到達目標,教育内容,学習成果が示されています.また,看護師国家試験出題基準(平成26年版)では,保健師教育,助産師教育及び看護師教育のカリキュラム改正の趣旨や教育内容を踏まえて,見直しが行われています.小児看護学に関しては,子どもの権利の重視,子どもと家族にとって最善の利益を供するように,小児看護に特有な知識及び技術に関する項目が提示されています. 本書は,これらに対応できる内容となっています.第1章では「援助関係」を形成する技術を取り上げています.第2章から第10章では,看護の基本技術として「環境を調整する技術」「食事の援助技術」「排泄の援助技術」「清潔・衣生活はじめに
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