もが体験している病気や治療,環境の変化,家族との分離などの[状況]が子どものコミュニケーションに影響することを考慮し,コミュニケーションが展開されている[状況]をとらえた上で,子どもからの[メッセージ]を解釈すること,看護者が送った[メッセージ]に対する子どもからの[フィードバック]を理解することが重要である.(2)子どもとのコミュニケーション 看護者は子どもとコミュニケーションをとる場合,以下の点に留意する必要がある.①子どもとのコミュニケーションは,[状況]により影響を受ける.子どもが話しやすい場(例えば,プレイルームで遊びながら,散歩をしながら),時間帯などを選ぶ.②子どもとコミュニケーションをとるときには,言語的コミュニケーションだけでなく,非言語的コミュニケーションも用いて[メッセージ]を伝えたり,子どもからの非言語的コミュニケーションによる[メッセージ]をキャッチし,解釈する.③家族と子どもとのコミュニケーションの場面を観察したり,家族から子どものコミュニケーションについての情報を集め,その子どもが日常的に用いている言葉やコミュニケーションのとり方を参考にする.④子どもが療養生活の中で守らなければならないことを説明する場合は,子ども自身がコントロール感をもつことができるように配慮する.例えば,「~をしてはいけない」「~をしなければならない」という禁止や制限についてだけでなく,「~は今はしてはいけないけど,~はすることができる」というように,子どもができることについても説明する.可能な場合は,どのような状態になったら,今できないことができるようになるのか,今後の見通しについても説明する.⑤子どもの発達段階を理解し,発達段階に応じた方法でコミュニケーションをとる(表1.1-2).➡発達理論については,ナーシング・グラフィカ『小児の発達と看護』1章5節2・3項参照.送り手状 況状 況受け手①発達段階によりさまざまな 方法でメッセージを送る.送り手受け手a.子どもが送り手,看護者が受け手の場合b.看護者が送り手,子どもが受け手の場合③解釈した内容を 子どもにわかる ようにフィード バック②発達的視点から子どもの メッセージを解釈する.④フィードバック を子どもの発達 の視点から解釈 する.③子どもからの フィードバック①子どもの発達段階に応じて理解 できるようにメッセージを送る.②解釈する⑤解釈した内容を 子どもにフィードバックし確認する.図1.1-3●子どもと看護者のコミュニケーション16
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