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古代エジプト時代の遺跡から骨折の治療に用いたとみられる2本の副ふく子しが発見されたことから,リハビリテーションの考え方は紀元前2000年ごろからあったといわれている.また,紀元前400年ごろのギリシャでは,ヒポクラテスが「運動は力を強くし,身体を動かさないと力が衰える」としてリハビリテーションの重要性を述べていた.さらに17~18世紀には肢体不自由や盲もう,聾ろうの子どもたちのための学校がフランスで設立され,19世紀には障害をもつ人たちが手に職をつけるための工芸学校や職業訓練学校がアメリカやノルウェー,ベルギーなどに設立された. アメリカでは,19世紀から20世紀初めにかけて視覚障害者や聴覚言語障害者のための学校や施設が設立され,活発な活動が展開された.また,第一次世界大戦(1914~18年)ではアメリカをはじめ多くの国で多数の戦傷者が出たが,戦争による労働者不足などにより,障害があっても可能な職業訓練をしたり補装具の給付を行うなど,職業斡あっ旋せんをして戦傷者の経済的自立を図る必要が生じた.このように現代のリハビリテーションは,障害者が技術を身につけ経済的自立を目指す職業リハビリテーションから始まった.その後,1910年代から20年代にかけてのポリオの大流行などにより,戦傷者だけではなく疾病による障害者に対しても運動療法や装具装着などが行われるようになり,1922年には国際肢体不自由児協会が発足している(1939年に国際肢体不自由者福祉協会へ改称). その後,第二次世界大戦(1939~45年)においても多くの戦傷者が出たアメリカでは,大戦中にミズーリ州セントルイスの軍人病院で働いていた医師のラスク(Rusk, HA.)が,身体障害者に対して床上他動運動,早期歩行練習,作業療法などの訓練プログラムを導入し,機能回復と入院期間の短縮に成功した.このことから戦後,退役軍人病院では積極的にラスクのリハビリテーション・プログラムが導入され,さらに1947年にはニューヨーク大学に物理医学兼リハビリテーション科が新設され,初代教授にラスクが就任している.翌1948年にはイギリスにおいても国営医療によるリハビリテーション・プログラムが開始された. 1960年には国際肢体不自由者福祉協会が国際障害者リハビリテーション協会と改称され,各国で幅広く積極的な取り組みが行われ始め,1969年には第1回の国際リハビリテーション医学会がローマで開催された.また,1980年には世界保健機関(World Health Organization:WHO)が国際疾病分類(ICD)の補助として,WHO国際障害分類(ICIDH:International Classification of Impairments,Disabilities and Handicaps)を発表した. 国際連合は「社会への完全参加と平等」をテーマとして,1981年を国際障害者年と定め,1983年からの10年間を「障害者の10年」として活発なキャンペーン活動を実施し, 2リハビリテーションの歴史 1リハビリテーションのはじまり 220世紀から現代におけるリハビリテーション→職業的リハビリテーションについてはp.18参照.14
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