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 リハビリテーション看護は,その対象を,疾病や障害をもちながらも「生活する人」としてとらえ,看護の本質である「その人らしく生きること」を支援し,QOLを高めることを目指しています. 日本では2025年に戦後生まれの団塊世代が後期高齢者になり,未曽有の超高齢社会になるといわれています.さらに,若くして事故や疾病によって機能障害を負い,他者の支援を必要とする人も増えています.また,障害をもちながらも自立して生活し,仕事やスポーツなどの活動・社会参加を積極的に行っている人も多くなっています. 本書は2010年に初版が刊行され,多くの方に利用していただき,さまざまなご意見やアドバイスをいただきました.それから6年を経た今,超高齢社会に向け,医療・看護においては疾病や障害の治療に加え,その人の生活を大事にした在宅医療を中心とする地域包括ケアが推進されています. こうした社会の変化の中で,ますます重要になるリハビリテーション看護の視点から本書の見直しを行い,次のような点を改訂しました.まず,生活者の視点を大切にして“リハビリテーション看護とは”という基本を改めて考え解説しました.2番目に,フィジカルアセスメントに加え,心理・社会的なアセスメントの項目を強化しました.3番目には,近年,回復期リハビリテーション領域で問題となっている低栄養に鑑み,摂食・嚥下に加えてリハビリテーション栄養に言及しました.また,取り上げた事例は「その人らしい生活を取り戻す」という観点から書き直しました.さらに,最新の看護師国家試験出題基準への対応に考慮しながら,基礎教育の学生にとって,初版よりさらに分かりやすく,親しみやすいものにしました. 本書が,看護を学ぶ学生そして臨床に携わる看護職のリハビリテーション看護への理解に役立ち,より良い実践の手助けになることを願っております.編者を代表して 奥宮暁子はじめに

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