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学習ポイント●大脳が果たす機能について機能局在の観点から説明できる.●大脳機能が障害されることによる代表的症状がわかる.●大脳の働きを障害する主な疾患がわかる. 脳は大きく大脳,間脳,脳幹(中脳・橋・延髄),小脳で構成されている. 大脳は,正中の大脳縦裂によって左右の大脳半球に二分され,大脳半球は前頭葉,頭頂葉,側頭葉,後頭葉の四つの脳葉に分けられる(図1.1-1a).大脳の表面には脳溝と呼ばれる多数の溝があり,脳溝で隔てられた隆起した部分を脳回という. 脳溝のうちの大きなものに外側溝と中心溝があり,外側溝(シルビウス裂)は側頭葉,前頭葉を,中心溝は前頭葉と頭頂葉を分ける.頭頂葉と後頭葉の境には頭頂後頭溝があるが,側頭葉と後頭葉を分ける脳溝はなく,後頭前切せっ痕こんが境界となる.(1)大脳皮質 大脳半球の表面の大脳皮質は神経細胞が集まった灰かい白はく質で,その深部の皮質下には神経線維の集まる白質がある.大脳皮質は学習・動機付け・言語・記憶など高度な神経活動を行っており,各部位で異なる働きを担っている.これを機能局在という(図1.1-2).脳回は大脳皮質の機能局在部位の指標にされ,Brodmann(ブロードマン)は52の領野(Brodmann area,図1.1-3)に分けたが,局在が不明な領野やBrodmannが示した以外にも重要な機能局在がある. 1大脳リンク解剖生理学 13章 1大脳の構造脳 回大脳の表面にある,折りたたまれたような盛り上がりの部分.脳溝と呼ばれる溝によって分けられている.外側溝と中心溝外側溝はシルビウス裂または外側大脳裂とも呼ばれ,大脳半球の外側面のほぼ中央部を前下方から後上方に走る.中心溝は外側面の半球上縁のほぼ中央部から前下方に走り,外側溝の近くで終わる.中心溝脳梁脳弓視床松果体上丘下丘小脳延髄中心管中脳下垂体視交叉視床下部帯状回(大脳辺縁系の一部)脊髄橋中心前回中心後回中心溝外側溝(シルビウス裂)後頭葉前頭葉頭頂葉側頭葉小脳上側頭回後頭前切痕頭頂後頭溝頭頂後頭溝縁上回上頭頂小葉延髄橋a.大脳の表面b.脳の内部(矢状面)図1.1-1●脳の解剖図16
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