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(1)大脳皮質の機能と障害(図1.1-1,図1.1-2,図1.1-3)●前頭葉●一次運動野 中心溝のすぐ前方にある中心前回は運動野(Brodmann area 4)と呼ばれ,運動野から錐すい体たい路が出て,反対側半身の各部位の筋肉の随意運動をつかさどる.運動野,錐体路の障害では,反対側の片麻痺が出現する.運動野の限局的な障害では単麻痺が起こることがある.運動野の前方に位置する前運動野(Brodmann area 6)が単独で障害されると,反対側の痙性不全片麻痺が出現する.運動性言語中枢 言語野は片側にあり,言語野のある側の大脳半球を優位半球という.優位半球のBrodmann area 44は運動性言語中枢(ブローカ〈Broca〉領域)である.運動性言語中枢が障害されると運動性失語が出現する.前頭前野 前頭連合野とも呼ばれ前頭葉の前上方を占める.感情,人格,記憶,発動性などの機能に関与する.前頭前野の障害では行動や人格の変化,記銘力障害や遂行機能障害などが出現する.●頭頂葉●体性感覚野 中心後回にある体性感覚野(一次感覚野)には,反対側の身体各部からの感覚が伝達される.体性感覚野の障害では温痛覚は保たれるが,二点識別覚や位置覚が障害される. 2大脳の機能とその障害→片麻痺はp.146参照.→失語はp.162参照.→二点識別覚はp.252参照.大脳基底核大脳皮質(灰白質)髄質(白質)脳室内包視床線条体尾状核被殻淡蒼球(外節)淡蒼球(内節)視床下核黒質大脳の冠状断面図大脳皮質帯状回尾状核レンズ核側坐核(被殻+淡蒼球)脳梁扁桃体小脳脳幹海馬図1.1-5●大脳基底核の構造発動性自ら発言や行動を起こすこと,起こそうとすること.18
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