308010220
15/18

151訪問看護技術 初回訪問において大切なことは,療養者・家族の「人生そのものをみる」ことである.「生まれてから現在までどのような人生を歩んできたのか」「どのようなことに喜び,悲しんできたのか」「大切にしていることは何か」「これからどのように生きていきたいのか」などを確認することで,療養方針を明確にすることが可能になる. 療養者・家族の心身の状況により看護ニーズは異なるが,退院直後であれば吸引や胃瘻などの医療機器の管理や手技の確認,異常の早期発見といった健康管理に関わるニーズなどの医療の継続に関する看護ニーズが高い.そして,医療ニーズの高い療養者の入浴介助や入浴可否の判断など,日常生活に関わるニーズもある.また,「二度と入院したくない」と漠然と療養者・家族が語る場合もあり,その場合は積極的に「再入院をしない」ことを目指して,トラブルや合併症を予防できるよう支援する. さらに,療養者・家族の心身の状況と家族の関係性や経済状況とサービス利用状況,自宅内外の環境と福祉用具の導入状況,医療従事者との関係などを総合的にアセスメントして,問題が顕在化する前に予防的に対応する.(1)訪問の手順 基本的な訪問の手順は表1.1-1の通りである. 4療養方針の明確化 5訪問の手順と倫理・心構え表1.1-1●訪問の手順●❶療養者が住む地域の特性をアセスメントしながら家に向かい,約束の時間ちょうどに挨拶する.●❷洗面所などを借りて手洗いをする.石けんとタオルは持参した物を用いる.必要に応じて手指消毒薬を使用する.●❸家の構造を確認しつつ居室に入り,療養者・家族に自己紹介する.●❹訪問目的や,看護の必要性と役割を伝える.●❺療養者のバイタルサイン測定,フィジカルアセスメントを行う.●❻主介護者の心身の健康状態や家族の関係性を観察し,アセスメントする.●❼療養者・家族の話をじっくりと聴き,思いを引き出し,言語化して確認する.話を聞く際は,療養者と家族が同席のこともあれば,別々の場で聞くこともある.●❽顕在的・潜在的ニーズと看護問題を抽出し,訪問看護計画を提示・確認する.●❾療養者に生じやすい医療トラブルや合併症,困りごとを予測し,その予防策を伝える.●❿訪問の場で解決できない具体的な困りごとに対して,対応策を伝える.●⓫訪問看護ステーションで訪問看護計画書や訪問看護報告書その他の記録物を作成・修正する.●⓬必要であれば,チームミーティングやサービス担当者会議を行う.

元のページ  ../index.html#15

このブックを見る