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171訪問看護技術さらに,虐待や不審死を発見した場合は一人で解決しようとせず,看護チームや警察や行政と連携をとり適切に対処する. 看護学生が実習で行う同行訪問は,医療を必要としている生活者の実際に触れる貴重な機会である.医療と生活の両面から療養者・家族を支援する看護師ならではの活動を間近で見て学ぶことができる機会でもある. 訪問看護師と療養者・家族は,未来の地域志向型の看護師の育成のために,ボランティア精神で実習を受け入れていることが多い.学生と触れ合うことや学生に指導することを楽しみにしている療養者・家族もいる. 訪問看護は,療養者・家族との契約によって成り立っている.訪問看護ステーションには学生実習を受け入れる義務はなく,学生が療養者・家族に不愉快な思いをさせた場合,最悪の事態として信頼関係が崩壊し訪問看護サービスの契約解除につながってしまうこともあるため,療養者・家族の生活の場に入れてもらうことを自覚し,基本的姿勢・態度には十分注意しなければならない.(1)学生の基本的姿勢・態度 学生が療養者・家族を「見物」することは最も失礼なことであり,感謝の気持ちで積極的に学習させていただくという態度が望ましい.ただし,この場合の積極的とは,勝手に看護技術を駆使するのではなく,基本的なマナーを守りつつ療養者・家族の状況を理解しようとする態度である.積極的に「学ぼう」としなければ,何も学ぶことはできない.事前に「何をみて学ぶのか」を明らかにして実習に臨み,訪問後に看護師に質問をすることで,看護師の発言や行動の意味を深めてほしい.(2)情報収集のポイント 同行訪問の前に,療養者に関わる記録から,情報収集を行う. 「主治医による指示の文書(訪問看護指示書)」「訪問看護計画書」「訪問看護報告書」に目を通すことで,現在の訪問目的を確認することが可能になる. また,療養者の心身の状態について情報収集をしつつ,「療養者・家族の望み・思い」「家族との関係性・介護力」「居住地域・居住環境」「経済状況・サービス提供状況(福祉用具を含む)」の情報も見落とすことがないように注意する. 6学生実習における同行訪問同行訪問における その他の注意点イヌやネコの動物アレルギーがあったり,車酔い,自転車に乗れないなどの事情がある場合は,指導教員や指導看護師に事前に相談しておく.また,ハウスダストや花粉症では,服薬やマスクの装着について指導者に相談し,できるだけ自己管理をして臨むとよい. 看護過程(nursing process)とは,看護の目標を成し遂げるための一連の行為である.在宅療養における看護過程では,看護ケアを必要としている療養者や家族を対象に,可能な限り最良で最善のケアを提供するために,どのような計画,介入援助が望ましいかを検討し,看護ケアを計画,実施,評価していく. 訪問看護の対象者は療養者とその家族であり,訪問先は療養者や家族の生活の場で 2在宅療養における看護過程の展開技術 1在宅療養における看護過程の特徴

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