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 また喫煙妊婦に対しては,喫煙が妊婦と胎児へ及ぼす影響を説明する.夫(パートナー)も喫煙していれば,健診に立ち合った際や集団指導の場を活用し,夫(パートナー)にも情報提供を行う.これは,妊婦自身で自らの健康をコントロールし,より良い健康を得ることを目指すヘルスプロモーションの一例であり,情報提供を行う健康教育と,共に生活する夫(パートナー)の禁煙を促し,妊婦の禁煙の環境づくりを目指すものである. 妊娠をきっかけにした生活習慣の改善は,妊娠の終了とともに,元に戻る可能性がある.看護者は,禁煙ができているのでそれで良しとせず,禁煙を継続し,今の健康状態を維持,さらに向上を目指すウエルネスの視点をもってケアする.妊娠中からどのようなときに喫煙したくなるか,例えばストレスの解消のために喫煙している場合,本当に喫煙でストレスは解消されるのか,妊婦の感情や価値観を傾聴し,ストレスの根本に向き合い,喫煙に代わる対処法を妊婦が考えられるよう支援する.このとき重要なことは,看護者からの強制や一方的な情報提供ではなく,「どんなことからならできそうか」という妊婦の視点に立って支援することである. 一つひとつの概念はつながりがないように思えるだろう.母性看護学の基盤となる概念は,ケアの視点として,女性や家族が中心であると対象者をとらえ,当事者の意思決定とセルフケアの力からケアの必要性を見極めること,そして,妊産褥婦や胎児・新生児の健康問題の有無に焦点をあてるアプローチだけではなく,ウエルネスの視点とエンパワメントの方向性をもったケアを目指すことを示している. 人をケアするということは,ケアする人とケアされる人という一方向の関係ではなく,人と人との関係を基盤に,ケアする人とケアされる人との相互作用によって,お互いが成長していくことである. 妊産褥婦や胎児・新生児の変化は生理的な経過であり,「異常」ではないから看護「問題」がなく,看護過程が難しいという学生の声を耳にする.ケア対象者の身体的,心理・社会的な状態をより良くするにはどうしたらよいかを考え学習を進めよう.ウエルネス疾病の有無で健康をとらえるのではなく,人間は自己実現に向かって成長するというとらえ方.1)メイヤロフ・ミルトン.ケアの本質:生きることの意味.田村真ほか訳.ゆみる出版,1993.2)小林康江.移行.山梨大学看護学会誌.2009,8(1),p.3-8.3)我部山キヨ子ほか編.基礎助産学4母子の心理・社会学.第5版,医学書院,2016,p.87,(助産学講座,4).4)和田攻ほか編.看護大辞典.第1版,医学書院,2002,p.12,1176.引用・参考文献移行移行期愛着自己同一性女性を中心としたケア家族を中心としたケアセルフケアヘルスプロモーションエンパワメントウエルネス相互作用重要用語22

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