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月経に関連する疾患5早発思春期・遅発思春期1precocious puberty・delayed puberty1早発思春期・遅発思春期とは1定義 思春期とは,第二次性徴の出現から初経を経て第二次性徴が完了し,月経周期がほぼ順調になるまでの時期を指し,日本人では8~9歳から17~18歳までの時期にあたる.通常9~11歳から乳房発育が始まり,陰毛発生(乳房発育より早い場合もあり),成長スパートがみられ,12~13歳に初経を認めるのが日本人では平均的である.乳房発育,陰毛発生の評価に際しては,タナー分類(Tanner分類)が用いられる(図5-1)1).早発思春期 早発思春期とは,女性ホルモン(エストロゲン)の分泌により,第二次性徴が標準より2~3年以上早く出現した状態であり,日本産科婦人科学会が定めた定義では,乳房発育7歳未満,陰毛発生9歳未満,初経10歳未満でおのおの発現が認められた場合を早発思春期としている2).乳房Ⅰ.発育なしⅡ.乳頭,乳輪がややふくらみ,小さな隆起をつくるⅢ.乳房,乳輪はふくらみを増すが,両者は同一平面上にあるⅣ.乳頭,乳輪が乳房の上に第二の隆起をつくるⅤ.乳頭の隆起を残し,乳房,乳輪は同一平面となる陰毛Ⅰ.発生なしⅡ.色の薄いカールしていない毛を認めるⅢ.毛は黒さを増し硬くカールして,まばらに恥骨結合部に広がるⅣ.毛は硬くカールして量,濃さを増すが,鼠径部を越えて大腿内側部までは広がっていないⅤ.毛は鼠径部を越えて大腿内側部まで広がる図5-1■タナー分類126

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