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本書,小児看護学①『小児の発達と看護』は,新しい時代に対応する看護学基礎教育テキスト「ナーシング・グラフィカ」の小児看護学のテキストとして編集しました 今日,子どもの生活習慣病の増加,こころの問題,思春期の子どもの自殺,育児不安,児童虐待など,子どもを取り巻く社会や家族に深く関わる子どもの健康問題が増加しています.現代の子どもは,健やかに発達し生きていくことが困難な状況に置かれているといっても過言ではありません.21世紀初頭における母子保健の国民運動として取り組まれてきた「健やか親子21」は,2014年に最終評価がなされ,今後の課題と次期計画に向けた提言の柱として,①思春期保健対策の充実,②周産期・小児医療・小児在宅医療の充実,③母子保健事業間の有機的な連携体制の強化,④安心した育児と子どもの健やかな成長を支える地域の支援体制づくり,⑤「育てにくさ」を感じる親に寄り添う支援,⑥児童虐待防止対策の更なる充実,が示されています.私たち小児看護に携わる看護者は,権利を有する一人の人として子どもを尊重し,さまざまな健康レベルの子どもが社会の中で健やかに発達し生きていくことができるように,看護を提供していく責務があります. 本書では,子どもを発達していく存在であり,年齢や健康レベルにかかわらず,権利を有し行使することができる主体であるととらえています.そして,子どもを育む家族も看護の対象として位置付け,家族に対して看護を提供するとともに,家族と看護者がパートナーシップを形成し,子どもの発達を支援し,子どもにとっての最善のケアを提供することができるように家族と共に取り組むことが重要であると考えています.看護基礎教育レベルに照準を合わせた内容とし,全体を通して,子どもの権利の尊重,子どもの発達の理解と発達段階に応じた看護,家族への看護を重視して構成しています. 2011(平成23)年に文部科学省から「看護系大学におけるモデル・コア・カリキュラム導入に関する調査研究」の報告書が出されました.この報告書の中で,看護職者が提供する看護実践である「ヒューマンケア」「根拠に基づく看護」「特定の健康課題に対応する看護」「看護ケアの改善とチーム医療づくり」「専門職としての研鑽」を遂行する20のコアとなる看護実践能力,卒業時到達目標,教育内容,学習成果が示されています.また,看護師国家試験出題基準(平成26年版)では,保健師教育,助産師教育及び看護師教育のカリキュラム改正の趣旨や教育はじめに
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