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人体のどこに何があるかを理解するためには,人体を小さく区切ると便利である. 区切る方法は一つとは限らない.以下,5種類の区切り方を説明する. 人体について表現する場合,基本となる姿勢があり,それを解剖学的正常位という(図1-3).両足を前に向けて直立し,上肢をわきに垂らして手しゅ掌しょうを前に向けて手指を伸ばした状態である. なお解剖学では,手は手首から先だけ,足は足首から先だけを意味する.手と前腕および上腕を合わせて上肢,足と下腿および大腿を合わせて下肢と呼ぶ. 人体は,体幹と体肢(上肢と下肢)に大別し,体幹はさらに,① 頭,② 頸くび(前面は「頸」,後面は「項うなじ」),③ 胸(前面),④ 腹(前面),⑤ 背(胸腹部の後面),⑥ 骨盤(後面上方が腰,後面下方が殿部)に分けられる. 2解剖学的用語 1解剖学的正常位解剖学的肢位と 基本肢位解剖学的正常位は解剖学的肢位ともいう.基本肢位は手掌を体側に向けた「気をつけ」の姿勢をいう.基本肢位を基準として,臨床で用いる良肢位が決まる(p.300プラスα参照).肩恥骨部上腕上腕肩肘窩前腕前腕手掌膝足前面上胃(腹)部臍部鎖骨上部三角筋部腰大腿下腿後面脊柱部肩甲下部殿部肘肩甲部手背頭胸鼠径部頸項足底足根腓腹(ふくらはぎ)膝窩(ひかがみ)腹側腹部下肋部下肢下肢上肢上肢大腿下腿踵かかと図1-3●解剖学的正常位と人体の名称171看護の土台となる解剖生理学
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