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カンジダの場合には抗真菌薬の投与が必要となる.(2)咽頭炎(laryngitis)●病態・症状・治療● 咽頭炎には急性と慢性がある.急性咽頭炎はウイルスや細菌感染が原因で咽頭粘膜や周囲のリンパ組織に炎症が起こる.慢性咽頭炎では慢性的な刺激や慢性疾患などが原因で炎症が起こることが多い. 急性咽頭炎では,発熱,咽頭痛,嚥下痛,異物感などがある.咽頭粘膜は発赤および腫脹がみられる.慢性咽頭炎では,急性咽頭炎のような症状はなく,違和感や異物感のような症状である. 発熱等の全身症状がある場合には安静とする.咽頭部には含嗽や吸入を行い,抗菌薬や抗炎症薬の投与を行う.(1)虫歯・う蝕(dental caries)●病態・症状・治療● う蝕しょくとは口腔内の細菌が歯の表面に付着し(歯し垢こう),その細菌が産生する乳酸により歯の表面(エナメル質)を溶かし,さらにはぞうげ質,歯髄まで欠損が進んでいく疾患である(図1.1-1). う蝕第1度(C1):エナメル質に限局した状態 う蝕第2度(C2):ぞうげ質に進行しているが,歯髄には達していない状態 う蝕第3度(C3):歯髄に達しており,歯髄が露出している状態 う蝕第4度(C4):歯根部のみが残った状態 症状としては,初期のものは白斑として観察されることもあるが,歯髄に達していない場合には痛みはない.C2では冷水の刺激に対して痛みを感じることもある.歯髄に達した場合には,自発痛を伴い,激しく痛むこともある. C1やC2では,う蝕部位を削り取り,その部分を修復物で成型する治療が行われる.C3やC4では,炎症のある歯髄を除去し,根管内の修復を行いセメント等で封鎖する.歯冠修復ができない場合には,抜歯となる. 2 歯科疾患 歯の各部の名称エナメル質で覆われた部分を歯冠,セメント質で覆われた部分を歯根という1).中垣晴男編.新看護学生のための歯科学.医歯薬出版,2008,p.51.C1C2C3C4図1.1-1●う蝕の進行筋肉セメント質歯根膜歯頸歯肉ぞうげ質歯根尖孔歯根歯冠歯槽歯槽突起歯肉上皮歯髄歯髄腔エナメル質211栄養摂取・消化吸収・排泄機能の障害と疾患

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