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 近年,チーム医療が当たり前となり,看護者は多職種と連携する上で,また栄養サポートチーム(NST)の一員として役割を果たす上でも,臨床栄養学の知識をもつことが欠かせない. 治療の直接的なケアばかりではなく,食事指導の場面においては,臨床栄養学の知識に基づいた患者教育を行わなければならない.また,対象者の生活を把握し,対象者が指導された食事を取り入れ,継続的に実行できるように援助し,管理することも大切である.このように幅広い観点から,臨床栄養学は看護の根拠を提示し,看護ケアに活かされている.(3)超高齢社会と臨床栄養学 ここで,具体的に日本の健康に関する現状をみてみると,飽食の時代といわれて久しく,成人期においては,メタボリックシンドロームの四つの危険因子(肥満,高血圧,高血糖,脂質代謝異常)を早期発見する特定健康診査および特定保健指導も根付いてきた.特定保健指導では,個々の人がもつリスクに応じた,看護者による指導が必要とされている. また,近年の新たな問題として,高齢者の健康寿命の延伸という課題がある.平均寿命が延び,超高齢化社会といわれる日本では,自立した生活を送れる健康寿命を延伸することが重要になっている.高齢者は,筋量や筋力の低下に伴って運動機能や認知機能が低下し,心身が虚弱となるフレイルや,足腰の動きが衰えて身体を動かす機能に障害を来すロコモティブシンドローム(運動器症候群)に陥りやすく,それが健康寿命を短くする要因ともなっている.これらの改善には,食事と運動がいかに大切か,患者の理解・認識を促すため,栄養食事指導の意義・役割は大きい. 人は,栄養なくして生きていくことはできない.また,食は生きる楽しみや文化や社会,経済状態にも影響を与える.看護者は,生活する人として対象者をとらえ,多角的に栄養に関するアセスメントを行い,援助できなくてはならない.そのために,臨床栄養学の学習が必要なのである.薬剤師医師介護福祉士家族看護師理学療法士管理栄養士看護助手111臨床栄養学の基礎知識

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