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基礎的な解剖・生理を学んだ後,臨床実習あるいは看護が始まったとき,まず必要なのは具体的で役に立つ情報です.歩けない,痛みを感じている患者さんがいるときに,その状態を分析し,何をするべきかを考えることが大切です.そのために,本書の作成は医師,看護師の協同で行われ,臨床現場で従事している先生方にも多く参加していただきました.従来の教科書より画像が多く,新薬,内視鏡手術など最新の情報も多く盛り込んでいることが特徴です. 本書では,複雑な運動機能障害の知識について,まず前半を医療・医学に関する内容,後半を看護に関する内容と,明確に二つに分けてわかりやすい構成内容としました.また医療・医学の章では,復習の意味で,なるべく冒頭に,解剖生理学的知識についての記述を掲載しています.これによって,その後に続く運動機能障害に関する解説を,理解しやすくなるようにと考えています. まず1章では,骨格の構造・機能から始まり,骨折・脱臼などといった「骨」に由来する運動機能障害を引き起こす障害・疾患と,その検査・治療について解説しています.2章では運動機能障害を引き起こす代表的な疾患である脊髄損傷をはじめ,その他の脊椎に関する疾患について述べています.3章では運動機能において重要な役割を果たす関節と,その疾患について解説をしています.4章では筋肉に障害を及ぼす腫瘍・変性・神経疾患について述べています.5章では,それまでの部位別の視点を変え,スポーツ障害や先天性の疾患,加齢による障害,また運動制限や廃用症候群による障害について解説しました. 6章以降は運動機能障害に関する看護についての記述となっています.6章は先の1~4章と対応する形で,主に骨格,脊椎,関節,筋肉など,それぞれに関連する運動機能障害についての看護を解説しています.7章は,5章に対応する形で,スポーツ障害や先天性の疾患,加齢に由来する障害,また運動制限や廃用症候群による障害のある患者さんに対して,どのような看護を行うのかを述べています.またこの章では,単純X線撮影,CT,MRI,穿刺,造影など運動機能障害に対してしばしば行われる検査方法についても触れました.理学療法・作業療法や牽引,装具など,これも運動機能障害で特徴的な治療・処置についても紹介しています.8章では,日常生活活動(ADL)や障害に対する社会支援について解説したほか,転倒・疼痛など,これも運動機能障害の看護を考える際に重要となる事項について触れました.9章では「腰椎椎間板ヘルニア」「関節リウマチ」「変形性股関節置換術」「大腿骨頸部骨折」,それぞれの患者さんに対するはじめに
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