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(2)国民の価値観の変容●「健康」の概念の変化● 世界保健機関(WHO)は1946(昭和21)年,健康の定義を次のように発表した.「健康とは身体的・精神的・社会的に完全によい状態であり,単に病気や障害がないということではない」(Healthisastateofcompletephysical,mentalandsocialwell-beingandnotmerelytheabsenceofdiseaseorinfirmity).そしてその後,「主観的健康感の高い人は,長生きである」などの,科学的に実証された疫学研究に基づいて1999(平成11)年に協議し,改正案「完全な肉体的,精神的,霊的(spiritual)及び社会的福祉の連続的(dynamic)な状態であり,単に疾病又は病弱の存在しないことではない(Healthis adynamicstateofcompletephysical,mental,spiritualandsocialwell-beingandnot merelytheabsenceofdiseaseorinfirmity.)」を提示し,さらにその見直しを続けていくこととした. 健康とは,自己実現に向けて,生き生きと活力をもって生きる状態ともいえる.私たちは豊かな人生,各自が目指す生活の質(QOL)を求めて生きている.健康のためだけに生きているわけではない.健康は,生き生きと生きるための資源である.これからのケアに求められるのは,人々(療養者・家族)の価値観を踏まえた,生活者としてのよりよい生き方を確保するためのものである.ケアの提供者には,人々の生命だけでなく,心と生活を守り,QOLを保証する,つまり,生活者として包括的に人をみる(よく見て,認識して観察し,判断して看護する),全人的なケアが求められている.WHO(世界保健機関)国際連合の保健衛生に関する専門機関として,1946年に誕生した.健康憲章を定め,世界的視点に立った公衆衛生の基盤をつくっている.図1.1-2●死亡数の将来推計1965(年)200070758085909505101520253035404550556560(千人)1,8001,6001,4001,2001,0008006004002000中央社会保険医療協議会.“資料-2参考1:看取りについて”.医療と介護の連携に関する意見交換.厚生労働省,2017-03-22,p.4,一部改変.https://www.mhlw.go.jp/le/05-Shingikai-12404000-Hokenkyoku-Iryouka/0000156003.pdf,(参照2018-09-20).2015年以前は厚生労働省「人口動態統計」による出生数及び死亡数(いずれも日本人),2020年以降は国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口(平成29年推計)」の出生中位・死亡中位仮定による推計結果.7007127027229229627528201,0841,1971,2901,4141,5221,6031,6591,6791,6521,5961,5611,5621,557実数値推計値131在宅看護の概念

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