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者に起こりがちな身体症状や,疾患・障害をもつ高齢者に対し,生活機能の視点からどのようなケアが実践されればよいのか,そして長期療養施設の看護,認知症高齢者の看護,高齢者特有の終末期の看護などについて,具体的に学習できるような内容にしました.演習あるいは実習の場で役立つように,実習例を示しながら解説しています. 本書では,以下のような特徴をもって記述することを心がけました.(1) 高齢者が看護される病院や介護施設,自宅などのさまざまな場への理解を深め,生活視点を盛り込む.(2) 高齢者の入院が増加していることから,老年期の疾病の特徴やそれをめぐる看護のポイントを押さえて,病院内の看護について必要な講義と演習ができるようにする.(3) 健康寿命をいかに伸ばすかが重要な課題である.高齢者の健康づくり,社会における役割,生きがいといった視点から,高齢者の健康維持に関する記述を充実させる.(4) 高齢者をめぐる制度・政策の激しい変化に対応できるよう,新しい制度や今後の予測についても記述する.特に社会資源の活用や地域包括ケアについての記述を充実させる.(5) リハビリテーションや福祉の関連職種との協働の視点を盛り込む.(6) 医師が常駐していない施設や在宅において,プライマリーナースとして健康問題をアセスメントし,ケアに関わっていくことが求められている.健康問題を,年齢変化を踏まえた上でアセスメントできるようにする. 老年看護学に関する知識や技術は,これからもさまざまな研究や実践によってよりよいものが工夫され,変化していきます.時代に即応した教科書となり,内容の充実を図っていくために,本書を利用された皆さまからの忌憚のないご意見,ご感想をお寄せいただけましたら幸いです.編者を代表して 堀内 ふき
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