7千人であるが,出生率の低下から,2007(平成19)年以降は,自然減少の状態が続いている.そして,2013年以降4人に1人以上が65歳以上人口となり,2019年の65歳以上人口は3,588万人で,総人口に占める割合は28.4%となった.これは,少子化によって若年人口が減少し,平均寿命が延びて65歳以上の人口が増加したためである.(1)平均寿命と健康寿命 日本における2019(令和元)年の平均寿命(0歳児の平均余命)は,男性81.41歳,女性87.45歳で,日本は男女ともに世界における長寿国の一つである(図1.1-2).●世界の高齢化の状況● 世界全域でも高齢化が進んでいる.世界の高齢化率は,2015年で8.3%となっており,2100年には22.7%となることが予測されている(表1.1-1). 高齢化の状況をほかの先進諸国についてみてみると,スウェーデンやフランスでは,すでに19世紀後半には7%を超えていたが,その後14%に達するまでに大変長い時間を要しているのが特徴であり,ゆっくり対応することができたといえよう(表1.1-2). アジア諸国は,まだ高齢化率は低いが,韓国ではすでに14%を超えており,日本と同様のスピードで高齢化が進んでいる.また,中国やインドという人口大国が高齢化に向かっている.家族関係などの違いもあり,問題も異なってはいるが,先に高齢化を迎えている日本の対応が,モデルとなることを求められているともいえる(表1.1-3).●日本の健康寿命● このように,平均寿命は延びている.しかし,重要なのは平均寿命から病気などで 4健康指標からみた高齢者の理解注)1990年以前のドイツは,旧西ドイツの数値である.国際連合.Demographic Yearbook等.厚生労働省.平成30年 簡易生命表の概況.男888580757065(歳)男女日本フランスイタリアカナダ男女ドイツイギリスアメリカ’851965’70’75’80’90’952000’05’10’18’15(年)女図1.1-2●諸外国の平均寿命の比較(単位:%)地 域1950年2015年2050年2100年世界全域先進地域発展途上地域5.17.73.88.317.66.416.026.514.422.729.021.9アフリカヨーロッパラテンアメリカアジア 日 本 東部アジア 中央アジア 南部アジア 南東部アジア 西部アジア北部アメリカオセアニア3.28.03.64.14.94.46.13.53.84.28.27.43.517.67.67.526.311.04.95.45.95.114.911.95.927.619.518.236.328.411.813.415.613.322.718.214.329.431.527.635.433.821.126.924.222.527.425.6注)2050,2100年は推計.国際連合.World Population Prospects.2015年更新.国立社会保障・人口問題研究所.人口統計資料集(2016).表1.1-1●世界各地域の高齢化率151高齢者の理解
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