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第1章ようこそ! 女性泌尿器科へ15 泌尿器科についていえば、もともと男性を対象にした診療科としてのイメージが強く、実際、一般の泌尿器科の患者さんの約7割が男性で、女性が泌尿器科を受診しにくい背景があると思われます。 多くの泌尿器科医の興味の対象も前ぜん立りつ腺せん肥ひ大だい症しょうなどの男性に特有な疾患に偏りがちで、女性の子宮や腟については深い知識がなかったことも否定できません。 一方、婦人科医は女性器や女性の骨こつ盤ばん底ていについての知識はあっても、膀胱の機能や排尿のしくみについてはあまり得意としない傾向がありました。 高齢化社会を迎えて、中高年の生活の質(quality of life:QOL)を大切にしていこうという流れがあります。女性特有の尿の通り道や排尿の問題は、命にはかかわりはないけれど、QOLにかかわるテーマであり、これからますます泌尿器科や婦人科両方の分野の知識をもつ診療科や医師が求められるようになると思われます。ここに「女性専門の泌尿器科外来」、もっと進んで「女性泌尿器科」が必要とされる理由があるのです。

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