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2 『女性泌尿器科へ行こう!』を出版したのが2011年12月、新たに女性泌尿器科を開設する医療機関も増え、骨こつ盤ばん臓ぞう器き脱だつに対する経腟メッシュ手術「TVM手術」が広く行われるようになっていました。折しも精度の低い手術を受けた方が痛みなどの晩期合併症や再発などを訴えて私の外来に次々来られるようになり、学会の演題にも合併症報告が並ぶようになったころでした。 私が日本に紹介したTVM手術を受けたことでかえって生活の質(QOL)が低下し手術を受けたことを後悔する方がおられることに大きな責任を感じて、これから手術を受けられる方のために、「自分が受ける手術なのだから医者に丸投げにせず、自分の病気のことはまずは自分でしっかり勉強しましょう。一度しか受けられない手術だと考えて術者を選びましょう!」という趣旨でセカンドオピニオン的に参照できるガイド本を出版したものでした。 その後、アメリカでは経腟メッシュ手術による被害や訴訟が相次いだため、アメリカ食品医薬品局(FDA)が厳しい警告を発したことから、多くのメーカーがTVMのキットの販売を中止し、その余波で日本にもメッシュの供給が途絶える可能性が出てきて大騒ぎになりました。幸いにも日本国内ではTVMのキット製品は使用できなかったためTVM手術は骨こつ盤ばん底てい手術のエキスパートが主に行っていたことが幸いして大きな合併症はほとんど起こっておらず、代替のメッシュを使用してTVM手術は途切れることなく行うことが可能となりました。 この一連の経腟メッシュ手術に対する逆風のなかで腹ふく腔くう鏡きょう下か仙せん骨こつ腟ちつ固こ定てい術じゅつ(LSC)を行う術者が次第に増加してきました。開腹で行う仙骨腟固定術(ASC)は欧米では骨盤臓器脱に対する手術のゴールドスタンダードとして以前から行われてきた手術ですが長期成績は必ずしも良くなかったはじめに
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