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3のです。1995年ごろから行われるようになったLSCでは内視鏡による近接視野で骨盤底深く剝はく離りしメッシュを挿入することが可能となり、オールマイティな骨盤臓器脱手術である可能性があります。私は2013年からLSCを取り入れ、2016年12月末時点で270例を執刀し、よりよい手術を目指して術式を改善しつつあります。このLSCは2016年より保険収載され多くの方がこの手術を受けられるようになりましたが、その手技には術者による違いがまだまだ大きく、これから術式の標準化が求められています。 この改訂版では、旧版では解説のなかったこのLSCのコンセプト、適応、手術の方法などについて私が行っている術式を中心に、わかりやすい説明を心がけて記載しました。 またLSC手術から学んだ知見より以前行ってきたTVM手術をより安全でシンプルな術式(TVM-A2)へと進化させることができました。この改訂版では進化したTVM-A2術式を紹介しています。 骨盤臓器脱や腹ふく圧あつ性せい尿にょう失しっ禁きんなど命にかかわることのない病気に対して、手術を受けることを考えている方には、旧版と同じ次のメッセージを送りたいと思います。 「がんなどの悪性の病気では手術の失敗は死につながります。それによって5年、10年苦しむことはありません。これに対して骨盤臓器脱などで精度の低い手術の結果、痛みなどが残ったら、命にかかわることがないので、5年、10年とその痛みに苦しむことになるのです。一度受けた手術は元に戻せません。自分の病気のことをしっかり勉強し、手術となれば、術者を選んで手術を受けましょう」。2017年3月 竹山 政美

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