002新版 実践 縫合の基本テクニック縫合処置1北井隆平Section一般的な救急部での基本的な縫合セット写真のように滅菌され保存されている.無菌的に道具を取り出し準備する.傷の大きさによって,針,糸を選択する. 縫合を必要とする切創に遭遇することは,救急室や日常診療でも多い.縫合の目的は創を密着させることで治癒を最短で完成させること,醜悪な瘢痕,機能障害を残さないことである.そのためには創面すべてで死腔を残すことなく合わせることが必要である. 縫合処置は最も基本的な技術であるがゆえに,解説したものは意外と少ない.ここでは特に基本的な道具(1,2),糸の選択,針の進め方,抜糸に至るまでの一連の処置について,医学生,研修医を対象として知っておくべき知識を解説する.腱や神経損傷は専門医へ転送すべきであるが,日常救急で遭遇する切創のほとんどは縫合可能で,プライマリーケア医に必要な技術である.1手袋の号 手術で使用される手袋は,「7」「6半」などと数字で大きさが決まっている.ではその「7」という数字はどこから来たのだろうか? 大・中・小でも,1・2・3でもよいのになぜ「7」なのだろう? 手首の部分から指の先までのインチ数というのが正解のようである.ほとんどの人が標準の6〜8の間に入っているが,8.5,5.5という後輩がいた.「8.5」の彼は,初めて行った病院などでは,小さな手袋を無理に使うので,はめていると次第に手がしびれて,いつも苦労すると言っていた.こぼれ話
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