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13Stage1summaryなくないことを念頭に置いて検査を行う必要があります。先天異常があれば、随伴する可能性の高い所見についても忘れずに評価を行います。病変によっては、2  次的に派生する所見についても評価を行いましょう。体位・アプローチ エコー窓を最適な条件にするための方法は幾つかありますが、消化管ガスの影響を軽減させる目的や静脈圧を増減させるために、体位変換が多く使用されます。時には、血管腫の画質変化や胆石の移動など、さまざまな使い方があります。体位変換できない場合は、圧迫や観察方向の変更、探触子とプリセットの変更などで対応を変えます。プリセットの選択は、プリセット名にこだわるのではなく、目的臓器の評価に適した条件設定のものを選び、細部を調整します。使用頻度の高い設定が見つかった場合には、専用のプリセット名をつけて登録することを推奨します。患者の安全確保 患者は高齢者や挙動不自由者が多く、車椅子とベッド間の移動も含めて安全な検査手順が求められます。ベッドへの移動は、複数人で行うのが望ましいですが、少なくとも一度は、看護師や理学療法士等から安全な移動方法のコツを教えてもらうことが推奨されます。ベッド柵や背もたれ等を用意したくても困難な場合は、ベッドのレイアウトを含めた周辺環境の改善を試みましょう。検査中のみならず、前後においても患者の安全確保の責任は検査担当者にあり、着替え中を除き、できる限り観察下に置きます。転倒・転落以外にも突然の体調不良があることも忘れず、安全を心がけてください。基本断面 多くのエコー検査では、観察すべき断面と記録に残すべき基本断面が設定されており、推奨基本断面に従って検査を行い報告します。基本断面画像の保存が不十分な場合は、検査技術の未熟さを露呈することになります。血管エコーなどの分野では、万人が理解できる一枚の断層画像はないと言えます。しかし、同一部位の左右比較画像や、計測画像などを保存することにより、評価の過程や根拠を表現することはできます。時には、除外診断の元となる画像などが必要となる場合もあります。

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