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10エコー検査のキホンのキ超音波の基礎に精通する エコー検査は、検査対象となる臓器により、深さや周囲の環境などが異なり、探触子やプリセットの選択により診断能力に大きく差が出ます。そのため、超音波の特性をよく理解したうえで探触子やプリセットを的確に選択する必要があります。例えば、左室心尖部の運動が低下している場合は、成人であっても、小児に使用される高い周波数の探触子を使用して、心尖部血栓の有無を評価するなど、柔軟な対応が必要です。プリセット名に翻弄されず、目的の評価に適した探触子やプリセットを使い分けることが診断能力向上につながります。プリセットとは、多くの患者に適用できる平均的な設定であり、患者の身体条件や検査目的、対象臓器が変われば不適となる場合もあります。超音波の周波数特性やアーチファクト、ダイナミックレンジの設定などは、最低限必要な知識と言えるでしょう(図1、図2)。製造会社や装置により、搭載されている機能に差があり、それらを熟知し、効率よく使いこなすのも大切な検査技術です。1図1超音波の特徴(周波数の特性)インピーダンス差の境界で反射した情報で描写高周波(振動幅が狭い)低周波(振動幅が広い)POWERPOWERPOWERPOWER反射回数が多い①反射情報量が多く、画質が詳細②減衰が強く、深部情報が欠落反射回数が少ない①反射情報量が少なく、画質が粗い②減衰が弱く、深部情報の取得可

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