10 第1章最近の学生・研修医は賢い先生、僕、今年から指導医になったじゃないですかあ。おお、指導医になったことをきみから直接聞くのは初めてだから、その言い方はおかしいぞ、天然無農薬で育てられたゆとり世代の申し子オオベ先生。（この人に相談するのやめよっかな…）…すみません。いや、相談があるんですよ。初期研修医の指導っていっても、どんなふうに教えたらいいか悩んでて。じゃ、教えてやろう。まずはだな、研修医を教育するときには「優れた研修医」に育ててはダメだ。はあ？ 優れた研修医育ててナンボなんじゃないんですか？「優れた研修医」に育ててはいかん。むしろ、研修医としては少し出来が悪いくらいに育てるのが肝心だ。先生、そういう一般論の真逆をいっときゃ、ウケるみたいな作戦はもう流行りませんよ。いや、別に斜め上に奇抜な発言をしているわけじゃない（そういう助平心も少しはあるがな）。「優れた研修医」よりはちょっと出来が悪いくら指導医の仕事は、優秀な「研修医」を育てることだと思っていないか!?そもそも研修医指導って何を目標にすればいいんですかね？
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