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12 専門医を取るまでは同世代との差が気になるが,10年も経つとほぼ互角だ.そのとき「他の奴でもいい」とスペア可能な外科医になりたくなかったら,他人にない味を出そう.「手」も「頭」も切れるacademic surgeonを目指せ.1 それぞれの立ち位置で技を磨く 手術に入る機会を活用し,それぞれの立場で大切なことを知ろう.①第二助手,第三助手 疾患と手術手順を理解しておくことは当然だが,執刀医,第一助手の4本の手で足りないときに,第5の手として機能できるかどうかが見せ場だ.手術台の周囲に気を配ることも,第二助手の役目である.②第一助手(前立ち) 執刀医の考え,計画を知り,一つ先を読んでアシストしよう.執刀医が両手を使っても足りないとき,間髪入れず第3の手となるように.③執刀医 手術を行うだけでなく,チーム統括の役割がある.裏を考え想定範囲を広げ,先を考えつつ手術を進める.手が足りないときには,前立ちの手をうまく借りよう. 器械出しを経験するのも,貴重な修練になる.2 戦術と戦略 メスをふるうのは「戦術=切れる腕」だが,外科医には「戦略=切れる頭」も必要だ.三国志で,武勇に長けた劉りゅう備び,関かん羽う,張ちょう飛ひが負け戦の連続だったのに,軍師諸しょ葛かつ亮りょうを得てから連戦連勝となったことが端的な例である.勘とセンス頼みでは治療成績は頭打ちになる.それを突破するには,戦略が必要である.2 一歩上の外科医を目指せ初めは同世代との差が気になるが,10年経てば実力はほぼ互角.差をつけたいなら,自分の特徴を持ち,onlyoneを目指せ.常に努力し,一歩先をいく外科医を目指せ.マンネリになるな.

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