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13「外科専門医」への期待と支援AI総論3 学会・論文発表,症例報告の大切さ 執刀する頃には,治療で新たな知見を見出し報告するのも専門医の務めだ.「何例切った」に終始する「切りたがり外科医」ではなく,「一症例経験したら,症例報告一本」の気概で,一例たりともムダにすまい.治療がうまくいった場合はさらによい方法を考え,逆に不本意な経過だった場合は「必ず仇は討つ」という気概を持つ.書いてみると,自分の不十分な部分が見えてくるものだ.4 手術記録 手術記録を見れば,外科医のレベルが丸見えになる.記載が正確かどうかで知識や理解のレベルが,文字や図の丁寧さ,正確さで自分が意図したとおりに指を動かす能力があるかが白日の下にさらされる.粗雑な字しか書けなかったり,字が曲がるのに,手術だけはきちんとできるというのはありえない.若手に次の機会を与えるかどうかを判断するには,格好の判断材料だ.5 チーム医療ができる外科医になれるか 「外科医が切って治す」時代から,「チームで治す」時代に変わった.多くの疾患で治療成績が格段に向上したが,一方で高齢化,併存・既往疾患など複雑な背景を持つ症例が増加している.いかにミスを減らして完璧に近づけられるかが,優れた施設の証しである.今後,外科医には,チームを統合する力も求められる.外科・麻酔科・コメディカルのチームあるいは複数の外科で,1+1が2,あるいはそれ以上となる「プラスの協力関係」が必要である.足を引っ張り合う関係なら,その施設は修練施設として失格である.若手医師:「鉤こう引き8年」と言いますが,そんなにかかるのですか.もっと早く執刀したいです.期間短縮はできないのですか.先輩医師:以前は「鉤もきちんと引けんヤツにメスは握らせない」というスタンスだったが,執刀しないとどう引いたらいいかわからないという面もある.新専門医制度では若手への機会提供も指導医の務めなのでチャンスは早く回ってくるが,それをきちんと活かすかどうかで,次のチャンスが来るかが決まるよ.そこは自分次第だ.
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