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 超音波検査を依頼されて「あれー、なんかいつもと違う? 見えにくいなぁ?」「胆囊がなんか腫れているように見えるけど、何cm以上が腫大だっけ?」「膵管径ってどのように計測したかなぁ?」などと思いながらもとりあえず検査を行い、よくわからなかったことは描出不良として要CT検査としたことはないでしょうか? 検査を施行し報酬を得る以上は、プロ意識を持ちどんな条件であってもベストパフォーマンスを発揮することが患者さんに対する医療貢献です。 本書では、装置を立ち上げてから、報告に適した超音波画像を取得し、正常か異常かの判断など、検査を適切に行うための最低限の知識を盛り込むことを狙いとしています。そのため、「肝細胞癌のハローは病理学的にどの部分を意味するのか」とか「多重反射は超音波の工学的な原理の……」というような専門的な論説はすべて専門書やガイドライン、各学会の診断基準に委ねました。 検査をはじめるにあたっての諸条件の選択調節方法、客観性を高めるための走査手順、その代表的な超音波画像、目的の臓器を的確に描出するための解剖学の確認と撮影のコツ、さらには判定の際に重要となる項目を記載しています。ほかにも、スクリーニングで観察する以外の腹部臓器の描出のポイント、評価方法のコツについてまとめています。これから超音波検査をはじめる方や、心臓などほかの領域は施行経験があるが腹部は初めてなどという方に、日々の超音波検査がスムーズに施行できるよう活用頂ければ幸いです。  2017年4月 小川眞広はじめに

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