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51形成外科手術の基本第1章形成外科特有の手術手技張に強弱を加えて操作する.3骨組織 骨組織の切開というのはつまり「骨切り」のことである.形成外科領域では,主に頭蓋顎顔面領域での骨切り,骨移植,そして四肢切断の際に骨を切ることになる.多くはサージカルソーを用いて骨を切るが,骨切り予定部の骨膜を前もって剥離しておくことは骨切りにおいて基本的な操作である.なお,骨膜の剥離にはラスパなどの骨膜剥離子を用いて,ねじりながら骨膜を剥がす.4血管・神経 血管・神経の剥離は外科全般において重要な操作のひとつでもあるが,形成外科でも主として細い血管や神経に対して施行される.血管・神経の太さに応じて用いる器械や方法を変えることが多く,比較的太い血管や神経の場合には,肉眼でモスキート(曲)鉗子な手順1…筋肉の切開法ゆっくり結紮する.結紮により柔らかい筋肉組織はちぎれ,中の繊維性組織(神経・血管)が残り結紮される.D2つの結紮糸の間の筋組織を剪刀で切離する.E出血なく筋組織が切離されたところ.F筋組織の一部をモスキート鉗子ですくい糸を通す.Aもう一端も同様に,モスキート鉗子で筋肉下に糸を通す.B筋組織を確実に切離できるように,糸を引きながら両端の距離を十分に確保する(とくに筋組織下面:矢印).C

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