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iii 私が形成外科医になりたての頃は,将来の専門については全く考えていませんでした.形成外科は対象とする疾患が多いので,手術の術式も数多くあります.そのため,実際に形成外科医になってみないと,何が好きなのかわからないなと感じていました.一方,最近の若手の先生方は,早いうちから自分の専門というビジョンを持っていることが多い気がします.あの頃と違って,形成外科の情報が入局する前からたくさんあるからかもしれません. ただ当然のことですが,形成外科医として実際に働き始めてから,多くの新しいことを知ることになります.たとえば創傷治癒という生物に与えられた神秘的な機序を足病や褥瘡で学び感動することもあれば,マイクロ術後のフラップチェックに嫌気がさすこともあるでしょう.実際に臨床を肌で感じて,どのような疾患がどのように治療されていくのかということを学ぶことで,自分の好き嫌いや得手不得手が明確になり,巡り合わせもありますが自分の専門が見えてくるものだと思います.とにかく若手の頃は多くの疾患や多くの手術に接することが大事だと思っています. 昨今,このような専門化の流れもあってか,形成外科領域の書籍も専門的な本が多いなと感じています.どの本もすばらしく,非常に勉強になるのですが,先に述べた通り,若手の先生方に必要なものは「形成外科一般とされる種々の疾患に対する知識」です.本書はそのような忙しい若手形成外科医が気軽に読むことができる参考書を想定しています.いわゆる専門書や学生向きの教科書ではなく,一般形成外科医のための参考書です.なお,執筆者が同門ばかりですので,偏った作法もあるかと思いますが,形成外科の基本は同じですので,作法にとらわれずに,気軽な気持ちで読んでいただけたらと思います. また,WEBで55本の手術動画が見られることも本書の魅力のひとつです.形成外科領域では手術動画が見られる書籍がほとんどないので,少し先取りした形になりました.ただ本書の動画のほとんどはレジデントの先生方によるものです.そのため,少々まどろっこしい操作もあります.それでもレジデントの先生方ががんばってゴールにたどり着くさまを,若手の読者自身に照らし合わせて見ていただきたいと思っています. 最後に,本当にいつまでも原稿や動画を待っていただいたメディカ出版の方々,すべてのことでお世話になった杏林大学医学部形成外科医局の先生方,そして最後の最後に動画編集を手伝っていただいた徳島大学の山下雄太郎先生に心より感謝の気持ちをお伝えいたします. 2018年4月15日  尾﨑 峰はじめに

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