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8一昔前の常識も現代では非常識 人は、病気になれば患者としてクリニックや病院を受診します。そこで重大な問題がわかれば、入院することになります。患者は、入院するときは不安でいっぱいですが、頼もしい医師や優しい看護師たちの適切な対応をみて安心します。「この機会にきちんと調べてもらい、異常のあるところをしっかり治してもらおう」と、落ち着きを取り戻すわけです。医療スタッフはそのような患者の願いを受け止めて、患者が元気になることを生きがいに日々の激務をひたすらこなしています。患者はその間、「とりあえず安静」にして医療スタッフの指示に従います。  しかし、一昔前のこの「常識」が、今では「重大な誤り」であることを読者のみなさんはご存じでしょうか。え? どこが間違いなの? という人にこそ、本書を読んでほしいと思います。超高齢社会・重複障害時代のわが国においては、医療スタッフである読者のみなさんが根本的に考えを改めなければ、みなさんにも患者にも大きな災難が降りかかることになります。「とりあえず安静」にさせることの罪 どこが間違いかをいう前に、2分だけ時間をください。私が医師になったのは今から35年以上も前のことです。そのころは病院の外来玄関には、車いすは2~3台も置いておけば十分でした。しかし、現在ではどうでしょうか。車いすはたくさんありますって? そう、そのとおりです。わが国で急速に高齢化が進み、歩行困難な外来患者が激増したため、車いすをずらりと並べておか第1章1外傷がなくてもリハビリ? 内部障害でもリハビリが必要なワケ「安静」は治療ではない!?

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